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物流ニュース
幸楽輸送 不動直樹社長 「北海道を元気にする企業に」(上)
2016年4月25日
幸楽輸送(不動直樹社長、札幌市清田区)は、北海道コカ・コーラボトリングの100%子会社として、コカ・コーラ製品の全道の拠点間輸送をはじめ、原材料や資材にかかる調達物流を展開。また、農産品をはじめとしたグループ外の食品・飲料品、日用雑貨、農業資材、肥料などの輸送を全国的に行っている。自社ではトラクタ37台、トレーラ57台、フォークリフト30台を保有し、トラクタには全台クラウド型デジタコと常時記録型のドラレコを搭載。協力会社には毎日200〜250台の輸送依頼を行い、配車している。
「親会社以外の仕事と道外の仕事がいくらでもできる」という「ブランドとテリトリーの縛りがない」立場にあるのがグループの中での大きな特徴。グループ内の物流機能を果たすとともに、道外を含めたグループ外の仕事を積極的に受託し、「外貨を獲得する」ことを大きな使命と捉えている。現在、親会社の製品輸送の売り上げは50%を切っており、外販の拡大に伴って「グループの利益にもかなり貢献している」という。
メーンとなるコカ・コーラ製品の輸送は、「昔のレギュラー瓶の時代は、帰り荷で必ず空瓶を運び、往復の積載率が非常に高く効率が良かった」ものの、缶やペットボトルが普及すると、帰り荷獲得をはじめとした積載率の向上が課題となった。
同社では、調達物流の拡大に着手するとともに、飲料品の消費が落ちこみ始める秋口から、輸送繁忙期を迎える道内農産品を多く扱うなど「北海道特有の季節波動」を吸収し、物流の効率を高めている。「道産の農産物は九州まで運んでおり、道産の砂糖は全国のコカ・コーラの生産拠点まで輸送している」と幅広い業務を手がけ、通年で積載量の平準化に取り組んでいる。
しっかりとしたベースカーゴがあるため、「帰り荷は〝運賃が安くてもいい〟と、安易に仕事を取ってきた時期もあった」ものの、これが利益を押し下げていた。近年は「仕事と運賃の見直しを図り、適正運賃の収受に心がけるようにしている。この結果、利益率も順調に上がっている」という。
同社は現在、「北海道を元気にする」取り組みを強く意識している。「単純な輸送業務の拡大ではなく、コカ・コーラの物流で培ったノウハウやインフラを活用し、北海道の物流を効率化する実験的な取り組みを行っていきたい。そのためには、グループ外の荷主の物流改善やコスト削減の提案、行政などによる先進的な物流の実証実験などにも積極的に取り組んでいきたい」と不動社長は話す。
「北海道を元気にするというキーワードのもと、荷主はコストが下がり、消費者にはいいモノが届き、我が社は利益がでる、というような三方良しのスキームをつくりたい」とする。
「物流面で北海道をサポートできる企業、北海道を活性化させる物流の取り組みができる企業、北海道の基盤が強くなる取り組みに参画できる企業を目指したい」と力強く語っている。(つづく)
◎関連リンク→ 幸楽輸送株式会社この記事へのコメント
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