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    キヤノン 他社との協業推進し物流効率化

    2016年7月21日

     
     
     

     共同輸配送、モーダルシフト、コンテナラウンドユースなど、他社との協業による物流効率化・省人化にまで、その取り組みを拡大しているキヤノン(東京都大田区)。同社の強みを生かした物流の基盤となるのが、ロジスティクス統括センターだ。社長直轄の組織として、製品事業部門と協力しながら社内物流を横断的にまとめている。
     カメラやプリンター・複合機のほか、映像事務機、半導体・医療機器など様々な製品を取り扱うので、ビジネス形態、製品サイズの違いにより最適な輸送方法を検討しなければならない。物流面での課題についてはロジスティクス統括センターが一手に引き受け、製品事業部門に提案しながら、より踏み込んだ物流効率化を進めてきた。
     ロジスティクス統括センターは事業部門と同じ本社内にあり、様々な事業の要望を聞きながら物流の変化に迅速に対応し、スピード感をもって解決できるため、同センターの福森恭一副所長(写真右)は「今がベストな体制」と話す。物流子会社は持たず、企画部門に加え、倉庫管理、国内・国際の輸送管理、船積み業務など、ほとんどを内製化している。


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     物流における社内の意思決定がスムーズなため、様々な効率化が進められるのと同時に、他社との協業も進められた。2009年6月に開始した、エプソン販売(佐伯直幸社長、東京都新宿区)とキヤノンマーケティングジャパン(坂田正弘社長、同港区)による共同配送。両社の配送先や配送条件が同じであることから、家電量販店向け配送業務の共同化が実現した。同センターの丹澤俊夫担当部長は「勝負するのは製品の品質、技術。それ以外は協力していこうという両社のベクトルが合った」と、当時を振り返る。仙台からスタートした同事業は、札幌・福岡・都内の一部にまで拡大し、使用トラックの削減で、CO2量は個別配送時よりも約26%減少した。
     現在、力を入れているのが、他社とのコンテナラウンドユース(CRU)だという。これまでも自社内でのCRUは積極的に行っていたが、2014年からは東芝(室町正志社長、同)とCRUを実施しており、京浜港に着いた東芝の輸入コンテナを、神奈川県川崎市の倉庫に運んでデバンニングしたあと、空コンテナをキヤノンの横浜市大黒町DCに転送して、輸出用として使っている。現在、ラウンドユースの対象を平和島DCまで拡大し、再利用率を上げている。福森副所長は「時間指定を厳守している。そのため『午前中に仕事が完了するので、もう1件、仕事ができる』とドレージ事業者にも喜ばれている」と話す。
     また、ダイキン工業(十河政則社長、大阪市北区)と共同で、JR31フィート背高コンテナを活用した鉄道による往復輸送を東京ー大阪間で行っている。関東の拠点から大阪方面に製品を納めるキヤノンと、大阪に生産拠点を持ち、埼玉の倉庫に製品を納めるダイキン工業とのニーズが一致したかたちだ。
     同社のモーダルシフト率は、走行距離500km以上の出荷の6割。一時は7割あったという。「減少した理由の一つは、JRコンテナの高さの問題」と福森副所長は指摘する。
     キヤノンは、海外市場で販売する製品が8割以上を占めるので、海上コンテナを基準に梱包設計している。そのため日本で一般的な5トンコンテナには乗らず、31フィートコンテナでも高さが足りない。そこで、長さが31フィートで、高さのある「U55A」を積極的に活用したいところだが、「本数に限りがあり、低床のトラックに載せて対応しているのが現状」。U55Aであれば、背高海上コンテナとほぼ同じ使い方ができるという。
     国交省が東京ー福岡間で実施するとしている、背高海上コンテナの鉄道輸送促進に向けた実証実験に期待している。「これが実現すれば、かなり使い勝手がよくなる。片道で使用した場合、どこにコンテナを返すのか、誰が主体で実施するのかという課題はあるが、まず輸送インフラが整えば、徐々に解決していくものだと思っている」。
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     今後、同社は日本の生産を増やす方針で、国内の物流も活発になると見込む。福森副所長は「中国や東南アジアからの部品輸入も増加するので、輸入コンテナを国内の生産工場でデバンニングし、生産と同期化して、できる限りコンテナを空で輸送させないよう、緻密に運用を設計していく必要がある」とし、さらには、現在ラウンドユースができていない生産拠点でも拡大できるよう、各拠点の担当者と連携して無駄のない輸送を実現したいとしている。
    ◎関連リンク→ キヤノン株式会社

     
     
     
     
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