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    荷主とともに物流改善 「御用聞き」の時代は終わる

    2016年9月2日

     
     
     

     運送事業者が荷主企業に抱く不満を耳にするが、メーカーや商社といった荷主企業は運送事業者に対して、どのような思いを抱いているのだろうか。近年は、運送事業者も仕事を選ぶようになり、荷主企業に対して「モノを言える」雰囲気があるが、力関係を気にして腰が引けている企業も少なくない。中小・零細の運送事業者の努力が報われるよう、双方にとってWin―Winの関係構築のためには、まず運送事業者は荷主企業のニーズを的確に把握しなければ始まらない。
     荷主側の意見として、運賃よりも時間を重視していると話すのは、大阪府内の物流商材を扱う会社。これまで数回、配送の問題で顧客とトラブルになりかけたことがある。「エンドユーザーにとって一刻を争う製品を扱っているので、製品の到着が遅れてしまうと当社が責められてしまう。万一、時間内に届けられないようなら、事前に電話があれば助かる。ドライバー不足で仕事がまわらないのは理解している。大手物流会社では営業所間の連携がとれていない場合もあるので、不便さを感じるときもある。今後は配達先の地場事業者との取り組みを検討していくかもしれない」。
     滋賀県の運送事業者は、荷主企業の担当者に物流現場の改善点について定期的にアドバイスしている。「荷主は現場を詳しく知らない。会議で一度発言したことがきっかけとなり、数年前から物流戦略について意見を求められる機会が増えた。こちらも遠慮なく要望を伝えるようにし、こちらから発信していかなければ、お互いに変わっていけない」。


     物流はこれまで、生産・販売部門の付随的なものとして扱われてきた。多くの企業にとって、「物流自体は儲けや付加価値を生まない」という理由から、コストカットにばかり意識が行きがちになる。さらに荷主の要望は複雑化しており、コストの面での努力とともに、いかに質の高いサービスを提供するかが重要視されている。運送事業者は荷主の要求に応えるが、限度を超すとやがて法令の壁にぶち当たる。「安かろう悪かろう」になるのは当然だ。「昔は荷主の要望に対し、NOと言わないことが美徳のように考えられてきたが、御用聞きのように『要望に100%応えます』というのはもう古い」という若手社長。「我々は物流のプロなのだから、荷主企業に提案できるレベルでないとプロとしての運賃はもらえない」と話す。
     法令を守るために必要な運賃をしっかりもらう仕組み、つまり1台当たりの利益計算や原価計算が必要になってくる。しかし、いまだに荷主からの無言の圧力があるために、提示しても仕方ないと諦めている経営者も少なくない。
     近年では物流の周辺業務の潜在需要を掘り起こし、荷主の困りごとを解決することで強力な絆を築く企業がある。また、食品メーカーでも自社配送にこだわることで付加価値を生み出すように、物流の価値を今一度見直せば、荷主企業・運送事業者の双方にとって大きな強みとなるのではないだろうか。
     今後、物流に関するあらゆる問題については、荷主企業と運送事業者の双方が、ひざを交えて改善策の道筋を探らなければいけない。トラック運送業界は20年近く、荷主からの運賃抑制圧力や過剰なまでのサービス要求に耐えてきた。しかし、そうした時代は終わりを迎えようとしている。物流冷遇の時代に後戻りをしないためにも、運送事業者は荷主企業の要望を的確に判断する必要がありそうだ。

     
     
     
     
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