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物流ニュース
名古屋モザイク工業 運送事業者と二人三脚
2016年9月1日
名古屋モザイク工業(早田辰比呂社長、岐阜県多治見市)は、北海道から沖縄まで支店を持つタイル販売70年という老舗。「信用第一」「自主独立」「創意工夫」を社訓とし、生活環境をデザインする素材を提供、創造してきた。また、国内では輸入タイルを初めて導入したのも同社で、現在も輸入タイルシェアトップを誇っている。取り扱っている製品も輸入タイルが大半を占める。今回、同社物流本部出身で、現在はグループ企業として独立しているNM物流の山内弘一社長に事業へのこだわりなどについて話を聞いた。
輸入タイル業界でトップを走り続ける理由について聞くと、「お客様の要望に応えられるための在庫管理」を一例に挙げた。山内社長は「タイルは工業製品であるが、焼き物。品番が同じでも同じ見た目になるとは限らない。作ったときのロットで微妙に焼き上がりが違ってくる」と説明。「追加の注文などには、以前のロットを見ながら商品を出す。同じロットが見つからない場合は、お客様へ同じようなタイルのサンプルを送り、同意をいただけるものを提供するようにしている」という。「品番が同じだから、と高飛車にそのまま出すこともできるが、それは違う。輸入タイルは特にこういったことをできるかが、重要となってくる」と、顧客対応の重要性について話す。
同社では現在、建築関連会社への卸しに加え、家庭向けのインターネット受注も行っている。山内社長は「いままでの業者向けに扱っていた商品と違って、梱包も含めて商品として扱っている。だから極力きれいな見た目で届くように心がけている。輸送、梱包面で注意する部分は増え、困難な面もある。しかし、海外では一般家庭への提供は普通。日本でもまだまだ開拓の余地はある」と分析している。同時に「受注に確実に応えることが重要となる分野だからこそ、お客様の注文に応えるために確実な輸送と在庫管理が重要となる」と力説する。
山内社長はタイルの輸送に関し「タイルは重く、荷役事故も比較的少なくない部類に入る」と指摘。そして、「だからこそ、お客様へ商品を丁寧にお届けしてくれる運送事業者はありがたい」と話している。
同社では出荷前の確認を運転者と一緒に行うことで、トラブル防止に努めている。取引をしている事業者もタイルの扱いに精通したプロばかりだ。
また、同社では受注から発注までのスピードもサービスの一環として考えている。そのため、自然と運送事業者への発注が多くなるという。
山内社長も「可能な限り少ない台数で、無理のない運行をお願いするべきという思いもある。しかし、サービスの一つとして無視できない。翌日出荷の場合などは現場のスピードに間に合わないこともある」と、工期などに合わせてサービスを提供せざるを得ない事情もある。
同社では今年中に現在ある七つの倉庫を三つに集中させることを計画中だ。倉庫を集中させることで集荷・出荷の短縮が可能となり、新たに1000パレット程の商品スペース増が見込まれているという。
山内社長は「業界で人手不足が進行しているのは痛感しており、このままでは輸送の限界が来るとも思っている。実運送を担う方々がいないと、我々もやっていけないのは事実。我々も適切な運賃を払うなど、必要なことはやっていくべきだろう」と警鐘を鳴らしている。
◎関連リンク→ 名古屋モザイク工業株式会社この記事へのコメント
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