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    小樽倉庫 山本副社長「次の100年に向け変革」

    2016年9月23日

     
     
     

     明治26年に創業、同28年に農商務大臣の榎本武揚から倉庫業の設立認可を受けた小樽倉庫(山本信彦社長、北海道小樽市)は、北海道で最初の倉庫会社。道庁が置かれたのが同19年だけに、近代北海道の歴史とともに120年以上にもわたり物流事業を営み、長く北海道経済の発展に寄与してきた。当時の本社や倉庫は、市指定の歴史的建造物として、市立博物館や観光案内所などに活用されている。
     現在は砂糖、潤滑油、穀物、菓子などを主に扱い、倉庫業のほか、貨物利用運送、トランクルームなどを手掛ける。北海道をはじめ関東、関西、九州にそれぞれ拠点を持ち、売上高は単体で約68億円。子会社として中央トラック(山本満哉社長、同)を抱えている。
     山本みゆき副社長は、平成13年に同社に入社。美術系の短大を卒業後、スキーの指導員を本業としてきた珍しい経歴だ。様々なスキー場を回り、夏場はパートをしながら生計をたてていたが、体調を崩して長期入院をしたことをきっかけとして同社の経理を手伝うことになった。「祖父や父が倉庫会社をやっていることは分かっていたが、家業という言葉もピンと来ず、一生スキーで食べていこうと思っていた。倉庫も物流も知らなかったが、入院を機に興味本位で中を見てもいいかと思った」と振り返る。


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     入社して感じたのが、「長い歴史に安心」してしまっている雰囲気。「入社時には既に100年企業で、会社の強みを聞くと、みんな『100年の歴史と伝統』と口をそろえた。100年は簡単に達成できるものではないが、それが現在の顧客への価値提供や今後の事業の発展にどのようにつながるか誰も説明できず、次の100年に向かって何をすべきか曖昧な状態だった」。
     また、収支が悪化しても「景気が悪いから仕方がないという姿勢が目につき、みんなが下を向いていた」。子供の頃、社内行事のソフトボール大会やキャンプなどでみんながニコニコした表情だった印象が強いが、そのような明るさを感じなかった。
     このような状態に強い危機感を持ち、副社長に就任した3年前から徐々に社内の変革に着手。数値化の徹底、スローガン浸透の働きかけのほか、景気が落ち込んだ際に下げた給与を全て元に戻した。あわせて、倉庫では保管料金適正化の折衝や庫内導線の改善などを進め、「少しずつ前向きな変化が見え始めてきた」という。こういった社内変革の取り組みが、燃料価格の下落による利益押し上げの流れにうまく乗り、「この3年で利益が大幅に改善し、従業員の表情やあいさつが明るくなり、コミュニケーションも活発になった」と手応えをつかんでいる。今後は給与体系と評価制度の刷新を行う予定だ。
     「100年後にニコニコしてみんなが会社にいられるよう、今から様々な変革に着手している。小樽倉庫に勤めてよかったと思ってもらえる会社にしたい」としている。
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     本社の一角に平成14年から私設の「街かど博物館『小樽倉庫資料館』」を開設し、現在は入館者が1000人を超えた。入場無料で、今では珍しい運搬や荷役・検査作業などに使用された当時の物流機器を間近に見ることができる。また、明治26年の地元新聞に掲載された同社の開業広告、同社の設立許可証、第1号の貨物保管元帳、当時の倉庫の写真など北海道の物流の歴史的な資料としても価値の高いものが多数展示されている。「榎本武揚が好きだという人がたまに来て、感激して帰っていくこともある。多くの人に来館してもらいたい」と話している。
    ◎関連リンク→ 小樽倉庫株式会社

     
     
     
     
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