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物流ニュース
鈴清社 グループで再生産の輪、「魔法の肥」から野菜へ
2017年1月12日
鈴清社(松山勝哉社長、三重県鈴鹿市)は、グループ企業と協力して廃棄物の回収運搬とリサイクル事業を展開している環境重視型企業だ。同グループでは特に、循環型社会の構築に力を入れている。中でも、食料品関係はグループが連携した取り組みを行っている。
同社は、地域学校給食やレストランから出た生ゴミを、「魔法の肥」という肥料に加工している。肥料はグループ企業のティーアンドエム(松山正美取締役、同)が製造・販売し、その肥料を使用して生産された野菜をグループ企業の飲食店「竜哉」(愛知県名古屋市中区)に提供している。
松山社長は「我が社の強みは、運送以外でも地球環境へプラスとなる活動を通じ、地域の皆様に貢献できる点にある。エビ・カニなどをメーンの素材とし、独自の製法で1年がかりで作る『魔法の肥』は、オーガニック製品に並ぶ品質で、農業従事者からの評価も高い」と語る。
こうした活動を行うようになったきっかけは、およそ20年前、廃棄物回収の専属契約を「自社にはふさわしくない」という手紙と共に打ち切られたことにある。当時の社長である松山忠民氏と正美夫人が説明を求めると、資源を回収するだけでなく、再利用するといった環境面へ配慮できる企業である必要性を伝えられたという。
それ以来、同社では資源の回収と共にリサイクル事業など地球環境へ配慮した活動にも注力。「魔法の肥」を開発し、農業者と提携した。過去に大阪の料亭で修行を積んだ前社長が本年度、飲食店「竜哉」をオープンしたことで、廃棄物から食までを自社グループ内で循環させることを可能にした。
松山社長は「今は運送を行うだけでなく、『いかに付加価値を感じてもらえるか』という点を追求していき、価格以外の面で勝負していく必要がある。資源を有効活用していく活動の姿勢に、お客様が魅力を感じていただければ」と話す。
今後の目標について、「これから、より多くの資源となるものを運搬、リサイクルし、最終的には資源の100%活用を目指す。資源を良質な商品へと変えていけることを武器に、地域の皆様に貢献し続けていきたい」と語った。
◎関連リンク→ 有限会社鈴清社この記事へのコメント
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