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物流ニュース
北海道国際流通機構 鳥取義之代表理事「輸出しやすい機能提供」
2017年7月3日
道産品の輸出拡大に向けて北海道国際流通機構(鳥取義之代表理事、札幌市中央区)が4月3日に発足した。理事には鳥取氏のほか、流通・物流システム開発販売のイークラフトマン(札幌市中央区)の新山将督社長、物流企業の弘和通商(同東区)の長谷川朋弘社長が就任。道内の生産者や食品メーカーなどに対し、物流と商流のきめ細かいサービスを安価に提供することで、輸出に挑戦する道内企業を手助けする。初年度400社、3年間で750社の輸出支援を目指す。
鳥取氏は、ヤマト運輸北海道支社で国際物流企画推進室長として、北海道の輸出促進のための官民共同のプロジェクト「北海道国際輸送プラットホーム(HOP)」に立ち上げから関わり、中核的な役割を果たしてきた。HOPの後継組織として同機構を立ち上げ、輸出支援を引き継ぐとともに、25日から独自の事業をスタートする。
HOPは5年間で総額5400万円、総量32トンの道産品輸出を手がけ、250社の道内企業が初めて輸出に挑戦した。鳥取氏はHOPについて「立ち上げ当時は、冷蔵・冷凍の国際輸送で『ダンボール1箱でも扱う』小口物流サービスは日本になかった。HOPが北海道で仕組みを構築し、HOPの約1年半後に日本郵便がクールEMS、ヤマト運輸が国際クール宅急便をスタートさせ、海外への小口冷凍・冷蔵輸送サービスをユーザーが選択できる環境をつくることができた」とする一方、「商流の部分が完成しなかった。海外での営業・販売が弱かったため、扱う貨物が想定通りには伸びなかった」と評価する。
同機構は商流部門を強化するため、既に中国・台湾・東南アジアなどで道産品を販売する商社をはじめ、複数の企業に出資を募り、機構経営に参画してもらう体制。「海外で商品を買ってもらうのが一番大変なため、海外の人に仕組みを動かす力を求めた。道産品の輸出を伸ばすという地域貢献の意味合いで協力していただいている」という。
また、自治体会員を募り、海外での商品ニーズや営業案件を随時提供する。自治体を通じて各地域の企業などに情報を流し、それぞれの地域で輸出促進の機運を高めてもらう。現在、道内10自治体が会員となっており、将来的には道内全179市町村の加入を目指す。
輸出をしたい生産者や企業は、同機構に扱う商品に応じた年会費を支払って企業会員となることで、海外での営業や物流、輸出代行などの手厚いサービスを安価に受けられる。
鳥取氏は「地方の生産者や中小企業が輸出を難しいと考える主な要因として『代金回収リスク』『営業コスト』『複雑な手続き』があるが、当機構が全て代行する。輸出が難しいという要因をかなり排除した」とし、「次世代につなげられる北海道をつくりたい。そのためのキーワードの一つが輸出。輸出しやすい環境をつくるための機能を北海道に提供していきたい」と抱負を述べる。この記事へのコメント
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