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    企業の「健康管理」に本腰を

    2017年11月15日

     
     
     

     日本の運送業で「対岸の火事」では済まされないのが健康起因事故。企業にとって、従業員の健康管理を業務時間外も管理する必要があるのかなど、どこまで踏み込んで管理するのか悩ましいところだ。今年5月、ドライバーが意識を失っている状態のトラックに自車をぶつけて止め、心臓マッサージを施すなどの連係プレーで運転者の一命を救った男女が警察から表彰を受けたが、このような奇跡は頻繁には起こらない。発見が遅れればドライバーは命を落としてしまう。やはり企業防衛のためにも普段からの健康管理対策として、健康診断の受診だけではない、一歩踏み込んだ取り組みが必要となる。
     企業を発展・継続させていくためには、従業員の健康管理も欠かせない要素の一つだ。一方でトラック運送業界、特に中小・零細企業では人員不足で休日の確保が難しく、労働環境改善の兆しはまだ見えてきていない。当然、健康管理が追いついていない現状であるのも確かだ。
     大阪市内の事業者社長は、今年発生したドライバーの体調急変に関し、「ドライバーの判断で路肩に止めたので、他への影響はなかったものの、もし運転中に症状が出ていれば、重大な事故につながっていた。トラックは事故を起こすと他の車両も巻き込み、被害が大きくなる可能性が高い。中小・零細では健康管理まで手をまわす余裕がないと言っている場合ではない」と危惧する。また、「自己申告では本当の体調は把握できない。交通事故の要因になるものについては、会社側の管理責任は大きいが、ドライバーの協力がなくては、どうしようもない」


     「40代が若手」といわれる運送業界だが、実は40代のドライバーの健康起因事故は多い。持病がある人だけでなく、突発性心室細動などで突然死する人もいる。ドライバーの高齢化は年々加速化しており、高齢のドライバーが増えれば、その分、健康に関する危険因子も増える。労使双方の健康に対する意識を高め、企業防衛に取り組む必要性がある。
     身体の健康と並んで近年問題となるのがストレス。厚生労働省の労働安全衛生調査では、多くの労働者がストレスを抱えている一方、41.5%の事業所ではメンタルヘルス対策を取っていないことが明らかになっている。対策として最も多かったのは、2015年12月から50人以上の事業所で義務化された影響からかストレスチェック(62.3%)だった。
     しかし、チェックの調査結果が出た後、部や課など集団ごとの分析を行ったのは、ストレスチェックを実施したうちの43.8%と半数以下に留まっている。このうち、業務配分や人員体制の見直しなど具体的な対策を取ったのは69.2%。多くの事業所ではストレスチェックで集まったデータを活用しきれていないのが現状のようだ。
     先日、女性議員が妊娠を発表し、職務放棄ではないのかと批判が寄せられ話題になった。この1件から考えるべきなのは、男性でも急病や家族の介護などで通常の仕事が出来なくなるリスクがあるため、常に通常を想定した仕事はよくないという点だ。人材不足の現在、この考え方ではいずれ会社は立ち行かなくなるのではないだろうか。
     しかし、健康のために何も対策しないというのも間違っている。健康起因事故の多くは、日常の健康管理で防止できる。2016年の就業者人口は、2012年から185万人増えているが、そのうち174万人は65歳以上の高齢者で、働き盛りの25〜44歳は94万人減っているという、憂うべき状況にある。健康管理に本腰を入れる時が来ているのかもしれない。

     
     
     
     
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