-
物流ニュース
キリングループロジ 八幡室長「重大事故ゼロが目標、飲酒運転撲滅を」
2018年1月25日
酒類・飲料メーカーの子会社が中心となって組織されている物流技術研究会(物技研)。7社が物流や安全品質の情報を共有し合って、協力会社と共に物流品質の向上を進めている。今回は、キリングループロジスティクス(東京都中野区)物流管理部安全・品質・環境室の八幡篤室長に話を聞いた。
「物技研には設立の2か月後から参画。各社の課題や問題は同じ。その解決に一緒に取り組んでいくことは大切」という八幡室長。研究会での活動は「ドライバー向けの研修会やフォークマンのレベルを上げる講習会への参加が中心になる。100%子会社のケーエスサービスだけでなく、全国の協力会社のドライバーにも声をかけている」と話す。
同社が来年から特に注力して取り組んでいくことが二つあるという。「工場やセンターなどでの労働災害を撲滅させることと、アルコール、飲酒運転ゼロに向けた取り組みには、特に力を入れていきたい」と意気込む八幡室長。「2年前から採り入れているのは、体感研修。例えば、荷台から人が落ちた場合の対応を見せるため、マネキンの頭にカボチャをくくりつける。カボチャの重さや硬さは人間の頭とほぼ同じ。荷台から落とした場合、ヘルメットをつけていなければ見事に割れてしまう。樹脂製のストローを人間の手に見立てて、荷台の緩衝材を持ち製品などに挟んだ場合、これも見事にボロボロになる」と、同社では「わかりやすい研修」を心がけているという。
「全ドライバーが対象。各支店に出向いて実施しているが、最近では『うちの会社でもやってほしい』と、他社から依頼が来ている。話で教えられても、すぐに忘れてしまうが、これだと忘れない」と指摘する八幡室長。「体感研修後のアンケートには『わかりやすい』や『事故を起こさないよう頑張っていく』など、前向きな意見ばかり。これも同じことを続ければ飽きられますので、少しひねりながら、いかにリアリティを出すかを追求している」という。
現在、研修は同社の担当者1人が担っているが、来年からは子会社のケーエルサービス3社から3人が兼務し、4人体制で実施していくという。「将来的には子会社で研修ができればいいと考えている」と話す同室長。「労災防止に向けては、50ある拠点すべてのリスク状況を点検している。人間には慣れがあって、内部の人間にはわからないことも、第三者から見ればわかることもある。『これは危ないのではないか』という注意をしていくことが大切と考えている」と説明する。
労災防止と同様に注力していくというのが「飲酒運転の撲滅」だ。「協力会社のドライバーがセンターにいるときなどに飲酒運転防止のお願いなどをしている。車中泊の際の飲酒は厳禁。乗車12時間前にはお酒はやめてほしいと伝えている」というのがビール子会社4社での取り組み。「輸送協力会社への飲酒運転撲滅の訴求対象は3つ。会社のトップと運行管理者、それとドライバー。ドライバーにいかに認識してもらうかが大切だと考えている。会社のトップや運行管理者がいかに頑張っても、最後のドライバーが飲んでしまえば、そこで終わってしまう」と八幡室長は指摘する。
「今後の目標はすべての重大事故をゼロにすること。安全・品質・環境・アルコール。ルールを作り、その現場でのルールが正しいのか、ルールが守られているか。この3つをきちんと実行することが重大事故ゼロにつながると考えている。現場に足を運び、リスクに気がつくこと。これを続けていきたい」
◎関連リンク→ キリングループロジスティクス株式会社
この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ