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物流ニュース
ドローン 新たな物流手段として注目
2018年2月23日
物流の新たな手段として注目されているドローン。昨年は日本郵便、国交省が郵便局や道の駅発のドローン物流の実証実験を行ったほか、離島への物資輸送実験も行われている。またアマゾンが国外で行っているように、ドローンによる宅配も広まりつつある。無人航空機の発展と市場創造支援を行っているJUIDA(鈴木真二理事長、東京大学大学院)は2017年を「ドローン事業化元年」、18年を「ドローン物流化元年」とし、「JUIDA物流ガイドライン(案)」を公表した。これからのドローンは物流業界へどういった影響を与えるのか。今回はForNature(安田公也代表、名古屋市中区)の、ドローンスクール名古屋校および岐阜校で講師を務める松浦三幸氏に話を聞いた。
同社はJUIDAの認定を受けており、JUIDA発行資格の試験と、それに合わせた講義、業界最新の情報を活用したセミナーを行っている。
松浦講師はドローンについて、「災害発生直後など、人の手では限界が生じる緊急時における初動体制、初期の対応として、上空を最短距離で配送ルートに利用できるドローンは有効。実際に災害時には孤立地域へ水、食料、通信機器などの輸送が行われており、また名古屋では警察署と我々の間で災害時の緊急輸送協定が結ばれている」と説明。他にも「農薬散布や測量などで活用されており、今後、ドローン活用の可能性は大きい。物流においても実装準備が進められている。実証実験が増えれば、実装される時期がより早くなるのでは」と話す。
免許制について、「海外ではすでに国家資格となっている所もある。日本でも国家資格となる可能性は大きい。我々の業界内でも、東京オリンピックまでに整備されるのでは、という動きがあり、今後、資格取得が難しくなるのではという声も小さくない。本格的な事業化が始まったときに事業を始めるのであれば、今から準備をしておいたほうが無難」
物流面におけるドローンの運用について「手動操作によるものもあるが、物流ではプログラミングを用いた運用が求められるようになるのでは」と指摘。今でこそドローンは観測員補助員と操縦手で運用しているが、いずれはプログラミングを用いた自動運用の台頭がほぼ確実視されているという。同氏によると、昨年7月に行われた知多から日間賀島への薬品輸送実験をはじめ、現在の離島への実証実験でもボートで人がついていく形を取っているが、いずれドローンのみの飛行になると考えられているそうだ。災害時、孤立地域へ飛行させるケースなどオート化が着々と進行している。
しかし問題も多く、トラブルの発生にあわせて飛行できる範囲が狭まっていっている。今では人口密集地帯の大半で総重量200g以下のホビードローンを除き、飛行許可が必要。一方で、今は許可もおりやすく、実質一部を除いた日本全国の空(上空150m以下)大半で飛ばすことが可能となっている。同氏は「最近でも、ドローンによる事故が少なくない。今後、普及に伴って事故数の増加も予想される」とし、「申請を出せば問題ないが、日中飛行、物体投下の禁止、飛行は目視の範囲内など、現状でも法整備がされている部分がある」とする。
加えて、「安全面を含めた協議が進められており、あいまいな部分が多い。講義内容もリアルタイムで変わり続けている。だからこそ、これからの安全整備と、ドローン運用に精通した専門家が業務に必要となるのでは」と解説する。
同社のようなJUIDA認定ドローンスクールでは、JUIDAの発効する操縦技能資格に加え、安全運行管理の証明書も取得することができる。同校は岐阜県多治見市に東海地区最大級(約4000坪)の飛行練習場があり、月一ペースで体験教室も開催。松浦講師は「体験することでドローンの可能性を感じ取ってもらうことができ、業界の方ならではのイメージ、アイデアも沸いてくるのでは」と話す。
◎関連リンク→ ドローンスクール名古屋校
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