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    特車ゴールド、2割に届かず ETC2.0導入に疑念

    2018年3月5日

     
     
     

     特殊車両通行許可を簡素化するなどの導入メリットを前面に出した「特車ゴールド許可制度」(ゴールド制度)が全国に展開されてから丸1年。ゴールド制度を利用して許可を得た特殊車両(特車)は、年間の特車許可車両全体の2割に満たない30万台前後に留まるとみられることが、国交省への取材で分かった。「事業者からのニーズがある」として国交省は、ゴールド制度の普及促進に努めるとしているものの、ゴールド制度利用の条件となっているETC2・0車載器の導入をためらう特車事業者は少なくない。高速道路などでの特車取り締まりが全国的に先鋭化するなか、ETC2・0が取り締まりに使われるのではないかといった事業者の疑念が根強いからだ。

     ゴールド制度は、国交省が指定した高速道路などの「大型車誘導区間」と呼ばれる道路を通行する限り、特車は通行経路を自由に選択でき、渋滞時の迂回などの場面で経路に柔軟性を持たせることができるメリットがある。これに加えて、ゴールド許可期間中に車限令違反がなかった事業者には、許可の更新が簡素化される。

     国交省道路交通管理課によると、実務面でのこうしたメリットを享受できるゴールド制度を利用して許可を受けた特車(シャシー)は、全国で受け付けが始まった昨年2月から同9月までの8か月間で20万6341台。車種別には海上コンテナシャシーが40%と最も多く、バン型のセミトレーラシャシーと合わせると、ゴールド制度許可全体の4分の3を占める。今年1月までの年間では、ゴールド制度許可は30万台前後になるだろうと国交省は見る。

     では、ゴールド制度に基づく許可は相対的には、どれほど普及しているといえるのか。

     経路ごとに大量の許可が必要な従来からある特車通行制度の年間の許可台数はおおむね200万台。ゴールド制度上の許可は200万台の内数であることから、特車通行許可を受けている20台のうち3台しかゴールド制度を利用していないことになる。

     国交省は昨年12月、社会資本整備審議会に設けられた道路分科会・物流小委員会に「特車ゴールド制度の運用上の課題と対応の方向性(案)」と題するペーパーで、制度の現行の運用に関する改善点を4点報告した。例えば、複数のトラクタとシャシーをまとめた包括申請が現行のゴールド制度ではできないことから、「平成30年をめどに実施」することなどを挙げている。

     ただ、同小委員会で報告されたのは、ゴールド制度を利用できる環境が整った事業者が抱えやすい問題点の列挙に終始している。こうした点に触れながら、神戸港で海上コンテナ陸送をする事業者は話す。「ゴールド許可は、ETC2・0を導入していることが前提。我々が制度利用にためらうのは、前提となっているETC2・0のほうだ」

     国土交通省の外郭団体「国土技術政策総合研究所」はETC2・0の車載端末の機能について、「ETC2・0を活用した大型車両の走行経路把握に関する基礎的分析」(2014年)のなかで次のような内容を記している。

     端末内部に、あらかじめ備わったGPS機能によって、トラック自身がいつ(時刻)、どこ(緯度・経度)を走行したのかを、走行距離200㍍の単位で、もしくは右左折などの方向変換をした場合に車載器内部に、最大80㌔㍍走行分、蓄積していく。蓄積されたデータは、高速道路上に全国約1600か所に設けられたITSスポットと呼ばれる道路側に取り付けられた装置の下を通過するたびにスポットに転送され、情報集約設備(統合サーバー)に保管され、道路管理者が使えるようになる。

     この分析の中では、特殊車両の積み荷の情報(違反の有無)と通行した経路とを連携させていく手法などが記されている。

     このほか同研究所は、ETC2・0が社会資本としての道路の老朽化対策に使えるかといった研究を複数報告し、全国に約40か所ある自動軸重計から得られる重量データと、車両の位置データを紐づけすることで、道路に与える損傷度合いを測るといった内容も研究対象とする。

     前出の海コン事業者以外の事業者でも、こうした情報が車限令違反の取り締まりに使われる恐れがないかに気をもむ関係者は少なくない。

     国交省道路交通管理課は、こうした疑念について、「(ゴールド制度で通行を認められた)大型車誘導区間内の走行かどうかを見るため、経路の確認はしているが、違反をしたかどうかの確認はしていない。(重量データと位置データの)紐づけは、可能性があるかどうかすらわからない」と本紙取材に答えている。

     
     
     
     
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