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    労働集約型産業(建設、外食、IT)、人材不足への取り組み

    2018年3月12日

     
     
     

     宅配における再配達問題など、昨年はテレビや新聞で物流業界が深刻な人手不足であることが大きく報道された。しかし、深刻なのは物流業界だけではない。建設や外食などの労働集約型産業では、どの業界も人手不足の傾向にある。こうした人手不足の状況にあるといわれる建設や飲食、ITなどの業界では、実際にどのような状況で、人材を確保するために、どのような対策や取り組みを行っているのだろうか。

     物流業界と同じような構造にある建設業界の人手不足の状況について、全国の大手ゼネコン企業を構成員とする日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長、東京都中央区)に話を聞いた。

     2016年の段階で、就業者数全体は495万人で、ピーク時(97年)の72・3%。そのうち、技能労働者(現場で働いている職人)は332万人で、ピーク時の71・6%という状況になっている。

     広報部長の永山貴一氏は「就業者の高齢化が進行しており、今後100万人単位で高齢者がいなくなってしまうといわれている」として、「そうした危機感から日建連では、25年までに技能労働者の世代交代を目標に掲げ、建設業の再生に取り組んでいる」という。

     25年までの目標として「生産性向上による35万人分の省人化」と「34歳以下の若者を中心に90万人の新規入職者(うち女性を20万人)の確保」を目指し、およそ125万人を新たに取り込む考えだ。

     若者を確保するために処遇改善を図らなければならないとして、「他産業に負けない賃金水準」「社会保険加入促進」「休日の拡大」「社員化による雇用の安定」「重層下請け構造の改善」「女性の活用、女性が活躍できる建設業」の6項目に取り組んでいる。

     「例えば、全産業に比べて低い賃金水準を20代で450万円、40代で600万円を目標に取り組んでいるところ」としたほか、「社会保険加入の義務付けのほか、4月から、5年をかけて週休2日制の実現に向けた取り組みを開始する」としている。

     また、日建連では、女性活躍推進のために「建設こまち」という言葉を作って、女性の活躍を応援し、女性技術者や技能者の確保に向けたPRに力を入れている。

     最近の動きとして最も大きな取り組みは、国交省と一緒に進めている「建設キャリアアップシステム」で、4月から登録がスタートし、10月から実質的な運営を開始する。

     これは、技能労働者全員が現場経験や技能レベルを記録していくカードで、「技能労働者が、自身の建設業界での仕事の履歴を記録することで、経験や技能レベルに応じた処遇が得られるようになる」とし、「普及すれば、処遇改善がかなり進む」と考えている。

     人手不足を理由に閉店する店が後を絶たないといわれる飲食業界(外食産業)。牛めしの「松屋」、とんかつの「松のや」など全国に1111店舗を展開している松屋フーズ(瓦葺一利社長、同武蔵野市)は現在、1400人の正社員を抱えている。

     同社では、一部FC店舗を除いて、直営店での店舗展開を行っている。1店舗の基本的な人員構成は、正社員1人と非正社員(アルバイトなど)が平均20人弱となっている。

     広報の青木葉子氏によると「10年ほど前から基本的に4月入社を100人というのが必達目標になっている」としたうえで、「就活の練習台みたいな感じで受けに来る学生は多いが、若い人の応募そのものは年々減っている」という。

     メンバーと呼んでいるアルバイトに関しては約2万人を採用しているが、大都市を中心に外国人留学生が多くを占めている。メンバーの募集では、仕事に慣れずに辞めていく人がでないように、教育に力を入れている。

     経営企画部長の遠藤隆也氏は「当社では、1年に50店舗の出店を計画しており、そのための人手が不足しているという状況なので、他社に比べれば集まっている方だ」と話す。

     ただ、「どんな状況でも働きたいと思ってもらえる環境づくりは必要だ」として、「牛めし業態やとんかつ業態といった2本柱のほか、ラーメンや寿司、カレーなど、いろいろな業態をやることによって、利用者は当然のこと、働く側にとっても職場が選べるという意味では、働きやすい環境を提供できる」と考えている。

     一方、IT業界の人手不足について、情報サービス産業分野における、わが国最大の業界団体である情報サービス産業協会(横塚裕志会長、同千代田区)では、積極的に新卒採用を行っている。

     しかし、インターネットやゲームといった分野に比べて、IT業界の7から8割を占める社会インフラのデータベースの構築という分野は、認知度が低いため、人が集まらないという。

     同業界の繁忙期にあわせて、3月と9月に向け人材の確保が行われているが、人件費などの問題で外国人が多く採用されている。少し前までは中国人が多かったが、人件費の高騰でインドやベトナムが多くなっている。

     このままの状況が続くと、IT業界で日本人の仕事がなくなってしまうため、新卒採用を積極的に行っている。進歩の速いITの知識に追いつかなければならず、人材育成に力を入れている。IT業界では、能力が不十分で採用できないケースもあることから、人手不足の傾向にあるようだ。

     
     
     
     
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