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物流ニュース
トラック到着時刻を遠隔予約 長時間労働の是正に、日本ユニシスが開発
2018年3月27日
日本ユニシス(東京都江東区)はこのほど、トラックの遠隔予約・受付システム「SmartTransport」の提供を開始すると発表。スマートフォン(スマホ)でのトラック到着時刻の遠隔予約から、トラック呼び出しまでの一連の流れを、アプリではなく、ブラウザで行えるSaaS型で構築した。インダストリサービス第一事業部の佐藤亮介氏(写真左)は、「問題となっているドライバーと倉庫作業者の長時間労働の是正に一役買えるのでは」としている。
同システムは、荷受けする倉庫側が「何の荷物が何時に、どれだけ搬入されるか不明瞭」という点に着目し、荷物の種類や量、搬入する車種などを可視化し、搬入時間をあらかじめ確保するというもの。「予約することで倉庫側は受け入れの事前準備ができ、運送事業者側も無駄な待機時間を減らせる」と双方のメリットを強調する。
同システムのフローは、まず運送事業者の配車担当者がパソコンなどで、前日に翌日分の予約を入れる。「これは仮予約のような扱いで、枠を押さえるのみ。当日に運ぶドライバーやトラックが決まることが多いため、詳細は決定してから変更可能」
当日、ドライバーがスマホなどで車番や携帯電話の番号などを修正し、登録。「この時点で、送り状などの帳票の写真をアップロードすることで、倉庫側と積み下ろす貨物情報を事前に共有できる」。また、遅延報告などもスマホから行える。
トラックがセンターに到着すると、ドライバーはタッチパネルやQRコードなどで受け付けを行い、事前にアップロードした帳票と照合させる。「銀行のATMのような『1画面1ボタン』の誰でも簡単に操作できる画面を目指した」とし、「従来は目視で確認していたことがスムーズにでき、効率化が図れる」
ドライバーは、待機状況を確認し、必要があれば待機場所へ移動。倉庫側は、受け入れ可能になればSMS(ショートメッセージ)でドライバーに通知する。
「広く使われるシステムにしたい」とする同部の松田泰斗氏(同右)。「予約を入れる場合も、直近のデータを引用できる機能を搭載し、利用者のかゆいところに手が届く便利さを追求した」と胸を張る。
1拠点につき月額5万円から、初期費用は30万円から。同社では、「今後3年間で500拠点への導入を目指す」としている。佐藤氏は、「現在、トライアルを重ねており、リリース後もオプションとして様々な機能を追加していきたい」と意気込む。「社会問題となっている物流業界の労働力不足や過重労働を解決する手立てとなれば」と語り未来を見据えて構想を進める。
◎関連リンク→ 日本ユニシス株式会社
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