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    チェックどうする? 点呼時の記録に「睡眠不足」追加

    2018年6月14日

     
     
     

     国交省は今月から、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」を一部改正し、点呼時の記録事項として、睡眠不足の状況を追加した。しかし、睡眠不足には個人差があることから、国交省は具体的な指示を出していない。運送事業者からは「どのようにチェックすればいいのかわからない」という声が相次いでいる。今回は、睡眠不足について、どのような管理をすればいいのか、関係者に話を聞いた。

     国交省安全政策課では「睡眠不足の有無の確認をしてもらう。普段の様子から管理者に判断してもらう。睡眠不足には個人差があるので、『○時間』といった具体的な数字を出せない。管理者に判断してもらうしかない」と説明する。「慢性的に睡眠不足が溜まっていくと、『眠い』と感じにくくなる」と話すのは、ニューロスペース(東京都墨田区)の小林孝徳社長。「しかし、眠気自体は体に溜まる。気づかないうちに眠気が溜まり、『眠くない』と言って、運転してしまう場合も出てくる。この場合、突然の睡魔におそわれて、交通事故を起こすことは十分にあり得る」という。

     「日ごろから、どれだけ睡眠が足りていないか、定期的に計測していくことが解決策になるのではないか。乗務前の点呼だけでは難しい。睡眠時間にも個人差があり、それを会社が把握しなければ、解決できないでしょう」と小林社長は指摘する。「睡眠不足以外にも眠くなる要因はある。食事の取り方でも、炭水化物を少なめにするなどの工夫が必要。起床してから7〜8時間後に眠気のピークがくる。これは交通事故の発生件数のグラフとも相関している」という同社長。「この規制はマイナスの取り組みではないが、睡眠不足だけを取り上げるのはナンセンス。もっと血糖値など包括的に見ていかないとダメでしょう。運転中の眠気を抑えるためには、企業としても積極的に研修など取り組む必要がある」と話す。

     「睡眠不足をチェックするため最低限聞いておきたいのは、『就寝と起床時間』『起きてから出勤までに眠気を感じているか』『起床時間が平日と休日でずれていないか』。この3つは聞いておくべきでしょう」

     「まずはドライバーが睡眠時無呼吸症候群(SAS)かどうかを調べるのが先でしょう。しかも適正な機器を使ったチェックが必要」と話すのは、日本睡眠総合検診協会(東京都文京区)の棚田哲次業務部長。「私どもは睡眠検査をしている団体。集団検診などで3万人弱の検査を実施してきたが、40歳代以上の男性のうち、1時間に15分呼吸が止まる方が3割いる。通常の簡易方法で調査した場合、9%ぐらいは見逃してしまう。逃げ方を知っているドライバーもいる」と指摘する。

     「睡眠不足かどうかは、睡眠の質の問題。SASだと睡眠の質が悪くなる。本人は8時間寝たと思っていても、実際には寝ていない。これは病気」という棚田部長。「管理者が『寝不足ですか』と聞いても、『違います』と答えるでしょう。まずSASかどうかを調べる。SASなら治療をしているかどうか。SASでないなら、いい睡眠をしているかどうか。しかし、これは現場ではチェックできないでしょう」という。

     「単純なやり方ですが、就寝時間と起床時間を聞く。通常は午後10時に寝て午前6時に起きるのが普通というドライバーの就寝が午前2時だと、管理者も気がつきやすい。睡眠日誌を作るべきでしょう。睡眠のリズムの乱れがわかりやすい。これでも『ひどい眠気があるかどうか』までは把握できない」と説明する。「SASのアンケートを実施した場合も重症な人ほどウソをつく傾向にある。ひどい人ほどアンケートに良い結果が出ることが多い」

     国交省の「運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」によると、「重度のSAS患者は短期間に複数回の事故を引き起こすことが多い」と指摘。「SASの場合、SASでない人に比べ交通事故のリスクが約2・4倍」となるという。また、「日本の男性トラック運転者の約7から10%、女性の約3%が中等度以上の睡眠呼吸障害」とし、「重度の眠気の症状を示す睡眠障害は、自動車の運転に支障をおよぼす恐れがある病気」と指摘している。

     
     
     
     
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