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物流ニュース
おんが自動車学校に聞く 準中型免許制度の現状
2018年8月30日
準中型免許制度が施行されて早くも1年が過ぎた。「準中型免許のメリットが感じられない」との声を多くの事業所で耳にするが、実際のところ、準中型免許の取得率は向上しているのだろうか。おんが自動車学校(力武浩一社長、福岡県遠賀郡)に話を聞いた。
「昨年度は初年度ということもあって本校では約160人が準中型免許を取得した。しかし今年度の取得者数は、おそらくそれを下回る」と、同校の廣田昌伸営業部長は指摘。そもそも、免許制度が改定になったことを知らない人の方が多いという。
「以前から、若者の免許離れが問題となっている。昔は身分証としても必要だったし、車がなければ出かけられない環境も多かった」と同部長。しかし今では、免許証に代わる身分証はいくつもあり、公共交通機関の発展で都心部では特に自家用車の必要性が感じられないため、免許を取得する人が減少しているのだ。また、親世代がすでに免許を持っているため、必要とあれば送り迎えしてもらえるのが当たり前となっていることも、取得率の低下を招いているという。「親に言われたからと言って通い始める子も少なくない。そういう状況では、マニュアルとオートマの違いから説明が必要。準中型免許の説明をしても響かない」と同部長は話す。
それでも同校の働きかけで、昨年度は160人が取得している。だが、取得した若者のうち何人が物流業界に就職するだろうか。同部長は「そもそも、就職先を物流業界に定めて免許を取りに来る人は、準中型免許ではなくマニュアル免許を取得し、2年後に中型免許を取得する」という。「準中型=物流業界での就職」という構図にはなっていないのだ。
免許制度改定の理由として、貨物自動車による交通死亡事故の削減と若年者の雇用促進が含まれていたが、果たして今後、その効果がどれほど現れるのだろうか。
◎関連リンク→ おんが自動車学校
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