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物流ニュース
よつば総合法律相談事務所 三井伸容弁護士に聞くハラスメント対策
2018年11月1日
「昔と違って今は、どこまでがハラスメントに相当するのか考えなければいけなくなった。今の言動はセクハラだったのでは、と後から怖くなることもある」といった声がある。物流業界でもハラスメント対策が必要だ。しかし具体的な定義が分からず、苦労している関係者も少なくない。今回はハラスメント対策について、よつば総合法律相談事務所柏事務所(大澤一郎代表、千葉県柏市)の三井伸容弁護士に聞いた。
三井氏は「最近の傾向として、多いと感じるセクハラのパターンが二つある。一つはセクハラかもしれないと自覚しながらも、この人であれば大丈夫だろうと、セクハラに相当する言動をしてしまうパターン。もう一つは、相手から好意を持たれていると勘違いしてエスカレートした結果、セクハラに相当する言動をしてしまうパターン」と話す。前者であれば、セクハラに相当する行為であっても、受け入れられていると勘違いしたケースなどが該当するとのこと。三井氏は「相手が職場の空気を読み、性的な話題などを我慢しているケースもある」と一例を挙げる。
また、後者についても「勘違いをしてしまう人は男女を問わずいる。こうしたケースでは勘違いゆえに行為がエスカレートしやすく、一大事になりやすい。同じ会社の仲間で見守りあって、または助け合って防ぐ必要がある。例示の通り勘違いを原因としていると思われるセクハラについても、過去に裁判所で責任が認められる判決は出ており、今後も、同様の判断をする可能性は大きい」としている。
パワハラについては「どこからがパワハラとなってしまうのか分からず、時には部下から指導の都度、パワハラだと主張をされて逆に精神的に参っている管理者もいるのでは」とし、対策として弁護士や社労士といった専門家を招いての研修会や、厚労省発行の関連資料を参考とすることを勧めている。「明確な基準を得ることで、パワハラを含めたハラスメントへの判断ができるようになり、心労は軽減されるはず。学習内容に沿った行動を心がければ、パワハラだと訴えられるケースも減少する可能性がある」としている。
また同氏が新たに注意喚起するものとして、マタニティハラスメントがある。出産・育児などを起因とした嫌がらせや、職業上不利益を与える行為が含まれるという。
三井氏は「ドライバー不足の問題もあり、新たな人材獲得を考える企業も多々あると思う。そのためにも、職場の雰囲気は重要。トラブル防止もあるが、ハラスメント防止を通して職場の空気を、より良くしていくことをイメージしていただきたい」と話している。
◎関連リンク→ よつば総合法律相談事務所
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