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物流ニュース
運送会社の関心高まる 名義貸し行為で摘発
2018年11月8日
一昨年から大阪府警による運送会社の名義貸し違反の摘発が続いている。これまであまり関心がもたれていなかった運送会社の名義貸し行為が摘発されていることから、運送会社の一部では関心を寄せている。
大阪府のA社は「運送会社が10月に名義貸し行為で摘発を受け、昨年も一昨年も摘発されていたことをテレビで知った。これまではなかったが、半年に一度も名義貸し行為による警察の摘発を目にするようになった」と話す。
A社でも数十年前から務めるドライバーが社会保険に加入せず、歩合で運行している。A社社長は「本人には、労働契約のない状態では違法行為に当たるので、社員になるか、もしくは個人でも加入できる企業組合に入って同社の仕事を請け負う形にするか、いずれかの選択を求めている。何十年もこの形でやってきたのでこのまま継続してほしいと言われているが、これだけ警察による名義貸し行為の摘発を見ると難しく感じる」と話す。
また、B社でも「当社は名義貸しに当たるのかは定かではないが、ドライバーの社保加入もなく、ドライバーには売り上げから歩合で報酬を支払っている。これが名義貸し行為に当たると言う意見もあり、改善のためドライバーに社保加入を呼び掛けているが、中には負担が増加するとの理由から拒む者も多い。適正に事業を行わなければ、事業継続が出来ないことは十分理解しているが、やはり現状では難しく、他社が名義貸し行為で摘発された情報を聞けば不安に陥る」と語った。
こうした意見が多い中で、同府警の名義貸し行為の摘発に対して賛同する意見も多い。大阪府の運送C社では「労働時間の問題をはじめ、社会保険の加入、さらには無事故への取り組みなど、運送会社のほとんどは違反行為に当たらないように努力して生き残りを図っている。そうした中で、一部の運送会社が適正に事業を行わず、違法行為を続けた上での運賃競争となれば不公平となり、違法行為を行っている方が低額で仕事もとれる。徹底して摘発、検挙してもらうことで業界の適正化が図られる」と説明する。
他にもC社と同じ意見を持つ運送会社からは、「名義貸し行為が業界の適正運賃収受を妨げているため、徹底して違法行為を排除すべき」や「府警の取り組みは業界にとって適正に事業を行うための警鐘だ」などの意見も聞かれる。
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