-
物流ニュース
大雪対策していますか? 大規模滞留の原因は「大型車」
2018年12月28日
国土交通省では今冬に予想される大雪などに対応するため、冬期道路確保対策検討委員会を設置。中間とりまとめなどを発表している。近年では大雪によって大規模な車両滞留が繰り返し発生しており、解消するまでに数日間かかるケースも珍しくない。その原因として、大型車のチェーン未装着の影響が挙げられている。国交省や警察庁では現在、チェーン規制の導入も検討しており、全国13区間で調整している。
国交省によると、「平成27年度では、 直轄国道において立ち往生車両が500台以上発生し、このうち6割が大型車となっていた。特に立ち往生車両の特徴 として、冬用タイヤは装着しているが、チェーン未装着という車両が9割を占めていた」と言う。国 交省では大雪時の道路交通確保に対する考え方を転換し、「こ れまでの自らが管理する道路の通行止めを回避するという考え方を転換し、道路管理者の連携により、最大限の除雪に努めつつ、関係機関はもちろん、道路利用者や地域などに協力を求めながら、道路ネットワーク全体として大規模な車両滞留の抑制と通行止め時間の最小化を図る『道路ネットワーク機能への影響の最小化』を目標にすべきである。そして、危機的状況と言う判 断のもとでは考え方の転換を空振りを恐れずに行うべき」と説明する。
チェーン規制につ いては、全国13区間(直轄国道6区間、高速道路7区間)で 国交省と警察庁の間で調整が進んでいる。同規制は通常なら通行止めとなる状 況においてチェーン装着車のみ通行を可能とするもの。大雪対策としてはチェーンの装着が決め手となるが、それ以前に冬用タイヤの装着が求められる。大型車の冬用タイヤの装着率は96%と高い水準にあることが わかった。NEXCO東日本新潟支社が4日に実施した冬用タイヤ装着率調査では大型車96%、小型車 81%となった。同 社では「普通タイヤでの高速道路の走行は大変危険です。早めの冬用タイヤへの交換とチェーンの携行もお願いします」と指摘する。NEXCO中日本でも大雪について注意を呼びかけており、「東名・新東名高速道路でも大雪が降ることは意外と知られていない。冬用タイヤやチェーンの未装着車、冬道運転に不慣れなドライバーの走行も多く見られる。東名高速道の大井松田IC〜沼 津IC間、新東名高速道の御殿場JCT〜長泉沼津IC間では、積雪で走行不能になる車両や、それにともなう滞留車両が発生し、大きな渋滞や通行止めになる場合がある」と、説明する。
NEXCO西日本 では、「冬期の高速道路の安全・安心を確保するため、今 シーズンも雪氷対策作業を実施する。中国支社をはじめとして、西日本管内の各支社で雪氷対策体制を構築しており、降雪時など路面凍結の恐れのある場合、凍結防止剤散布作業や 除雪作業を行い、高速道路の安全で円滑な交通確保に向けて取り組んでいる。冬用タイヤの装着やタイヤチェーン携行の冬用装備を早めにしていただきたい」としている。同社では今冬における新たな取り組みとして「お客様への情報提供強化」と「アイハイウェイの情報提供カメラを10台増設」を挙げ、「運送事業者やトラック協会などへダイレクトに広域う回や運送日調整の協力を依頼する」としている。全ト協でも国交省からの要請を受け6日、各都道府県ト協に向けて「降積雪期における輸送の安全確保の徹底について」の文書を発出し、参加の会員事業者へ の周知徹底と事故防止を訴えた。全ト協ではホームページに「雪道対策について」のコーナーを設けており、情報の活用を呼びかけている。
この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ