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    荷主勧告制度が強化 軽貨物運送事業者はしっかり把握を

    2019年5月13日

     
     
     

     「改正貨物自動車運送事業法」が2018年12月8日、参院本会議で可決され、荷主勧告制度も強化された。それによると、制度の対象に貨物軽自動車運送事業者が追加され、荷主勧告を行った場合、当該荷主の講評を行う旨を明記した。貨物軽自動車運送事業者の多くが、荷主勧告制度の強化の内容を把握できないでいるのも事実である。だが、1年6か月以内に施行されるため、しっかりと把握しておく必要がある。

     丸和運輸機関(和佐見勝社長、埼玉県吉川市)では6月末を目標に、一般貨物自動車と同じ基準での時間管理をするための調整を行っている。具体的には、月間293時間以内の拘束と週60時間以内の拘束を実現させるために、4月から6月で準備をして7月から週休2日制を導入する予定という。また、朝の出勤時間の調整や持ち出し個数を制限して帰庫時間を早めるなどの対応も、並行して実施する予定としている。

     一般貨物配送サービスのほか、軽貨物配送サービスにも力を入れているエヌズ・ゲーム(長谷川義勝社長、神奈川県横浜市)も、荷主勧告制度の強化については把握しており、荷主としっかりコミュニケーションを取って対応できているとしている。

     一方、首都圏の軽貨物事業者(現在の会員50人)で組織されている軽貨物ロジスティクス協会(東京都千代田区)の遠山毅理事長は、「その件は聞いているが、具体的にどのような内容で、どのように対応すべきか、組合でしっかりと取り組んでいく」という。

     千葉県や東京23区、横浜地区などで軽貨物運送事業を展開しているビー・カーゴワークス(千葉県市川市)の波田雅文社長は、「単純に決まりを守るためなら、必要以上にドライバーへ仕事を振らなければいいだけだが、そうすると一人当たりの生産性は落ち、支払う金額も少なくなる」として、「稼ぎたい個人事業主は稼げなくなる」としている。伊藤秀悟専務は「基本的に当社では、荷主直で仕事をもらっているので利益は出ているが、軽貨物の業界は多層構造となっているため、末端のドライバーは可哀想だと思う」と話す。

     さらに、「個人事業主は、自分が請ける仕事は自分の裁量で行うのが基本と考えている」として、「ECなどは単価が下がっているので、稼ぎたい人は長い時間、働かなければ稼ぐことが出来ない」と、業界の現状について語る。

     このほか、「最高水準の報酬を追求する」というテーマのもと、ドライバーにとって最も働きやすい会社を目指す日本エリアデリバリー(J.A.D、東京都港区)の細谷将広社長は、「今すぐ、明日からの対策というのはないが、当社では基本的に、朝と夜の2交代制を取っている」という。また、「人を増やして、一人当たりの時間を下げるということも考えないといけないが、そうなるとドライバーの報酬に直撃するため、ドライバーがハッピーだとは言えない」と考える。

     稼ぎたいから、軽貨物の仕事に就いているという人も少なくない。「本気で安全を考えているのであれば、再配達を無償でやってはいけないという法律を作ってもらったほうが、より効果があるのではないか」と指摘。「今の業界の流れから見ても、その制度を受け入れると、いろいろな弊害が起こる可能性がある」とし、「その弊害を業界全体で声を出し合って変えていくしかないのでは」と細谷社長。

     こうした事業者の声に対して、国交省自動車局貨物課は「荷主勧告制度は、貨物軽自動車運送事業者だからというのではなくて、この制度自体は現在あるものだから、そういった意味では現在あるものが変わるものではない」と説明。

     軽運送事業者が違反した原因が荷主側にあるとき、その荷主も勧告対象になる。「軽運送事業者だから過積載して良いとか、スピード違反しても良いとか、安全基準を守らなくても良いとはならない」とし、「一般貨物でやっている制度が軽運送事業者にも適応されるということ」。

     荷主が知らないところで勝手に安全を度外視した運行をしている場合、それは事業者の問題となる。荷物を振る側と受ける側で、どのような契約で、どのような話をしているかというのは、個別に見ていく必要がある。

     
     
     
     
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