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物流ニュース
三次貨物運送 地域支える稚鮎輸送、20年続く
2019年7月1日
【広島】中国地方最大の河川で、三次の鵜飼で有名な江の川は、レジャーの鮎釣りだけでなく、漁師も多い。県内に21ある漁業協同組合のうち、放流量が最大の江の川漁協(三次市)では、年間約200万匹、1万5000キロを放流するという。
この放流を20年以上支えているのが三次貨物運送(細川喜一郎社長、同市)だ。以前は稚鮎を運ぶ運送会社がもう1社あったが廃業し、同社が一手に引き受けることになった。正月明けの竹原市からの便を皮切りに、主な運行は3月下旬から5月中旬に行われる。
稚鮎は滋賀(琵琶湖)、大分、宮崎、鹿児島で捕えた後、約10~13cmまで育成。輸送は同社でも熟練のドライバーが、リスク管理を綿密に行いながらツーマンで行う。13.7トンの平ボディーに、漁協の特別仕様の水槽4基を設置。輸送中は2時間おきに水温、酸素量、外気温をチェック。時には氷を入れて水温を調整することも。また、稚鮎を傷つけぬよう、ハンドルやブレーキ操作も慎重に生体輸送ならではの気配りが必要だ。
取材した日は、琵琶湖産の稚鮎6万匹、600キロを運び、2人のドライバーと漁協職員が協力して、安芸高田・三次両市の6か所に放流した。細川社長は「これも一つの地域貢献。一人でも多くの人に三次に来てもらう、その一助になればという気持ち」と話す。
なお、3年前の熊本地震発生時も、鹿児島からの便が運行中だったという同社。間一髪で難を逃れたことが、社内の連絡体制強化のきっかけにもなったそうだ。
◎関連リンク→ 三次貨物運送有限会社
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