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物流ニュース
荷役作業・付帯業務も 記録義務の対象拡大
2019年6月13日
平成29年7月からスタートした荷待ち時間の記録義務。今年6月15日から、対象が拡大され、荷役作業と付帯業務も対象となる。荷役作業とは積み込みや荷下ろし。付帯業務では荷づくり、仕分け、横持ち・縦持ち、棚入れ、ラベル張りなどが事例として挙げられている。記録義務自体がなかなか関係者に浸透していないということも多い。記録義務の対象拡大は実効性があるのだろうか。関係者に話を聞いた。
15日からトラックドライバーが、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上のトラックに乗務した場合、集荷地点などで荷役作業や付帯業務を実施した場合、荷待ち時間と同様に乗務記録の記載対象として追加される。国交省では「これにより、トラック事業者と荷主の協力によるドライバーの長時間労働の是正などへの取り組みを促進させる」としている。
また、荷主との契約書に、実施した荷役作業などがすべて明記されている場合、荷役作業などに要した時間の合計が1時間以上になった場合が対象となる。記録内容について荷主が確認したか、あるいは荷主の確認が得られなかったかについても記録対象となる。
今回の対象拡大について、国交省貨物課では「車両については全体の負担を考えて、いままで通り。もちろん、今後見直すこともあるかもしれない。監査などで確認しているが、荷主のことを考えて、あえて記載していない状況があるかどうかについては、調査しているわけではないのでわからないが、ないのではないかと考えている」と説明。「今後、対象が拡大されたことで、きちんと記載されているかどうか、調査する可能性はある。荷待ち時間を減少させて、トラックドライバーの働き方改革を進めることが大切」としている。
関東運輸局自動車運送事業安全監理室では「記録義務の違反が、どれだけあるのかは把握していない。ホームページなどで公表しているうち、『乗務等の記録義務違反』がこれに該当する。監査の際、義務なので記録しているかどうかは当然、確認する。しかし、そこに特化して見ていない。荷主におもんぱかって記載しないということはないと考えている」という。
しかし、東ト協の関係者は「記載している企業と、そうでない企業の割合は半々ぐらいではないか。荷待ち時間の記載が始まった当初、質問がたくさん来た。『指定時刻に行って、30分以上待たされた場合に書いてください』と説明したものの、『明確な時刻ではなく、午前中に来てと言われた場合、これを書くのかどうか』。正直、いろいろな意見があって難しい。運賃と作業料金を別にすることになったが、『言えない、書けない』という声は多い」という。また、運送事業者からも「ドライバーから『荷待ちをしている際、会社に報告するかどうか迷う』という声を聞いた。荷待ち時間を会社に報告していないドライバーもいる」という話が出ている。
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