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物流ニュース
見直される納車式 リクルート効果も期待
2019年7月11日
「先代の頃はやっていたけど、昭和を感じさせる古くさいイメージがあり、いつの間にかやらなくなったよ」︱︱。神奈川県の2代目経営者はトラックの納車式についてそう振り返る。一方で、社内イベントとして積極的に実施し、ネットやSNSで公開する運送事業者は増えており、今日も「新車が入りました」という投稿が生まれている。
10年前から始めたというロジックスライン(千葉県成田市)の沢田秀明社長は、「納車式はプロドライバーにとっては結婚式と同じ意味を持つ。『車両は大切なパートナー』という意識付けが改めてでき、気持ちが引き締まる」と説明。「納車式で鍵を渡すようになり、より一層、大切に乗ってくれるようになったと感じている」
同社では、納車式当日にディーラーの担当者が新車を会社に届けるまで、どこのメーカーの、どの車種かをドライバーには秘密にしているという。「せっかくなのでサプライズの要素も盛り込んでいる。もちろん、担当するドライバーには1週間前に新車に乗りたいかどうか、意思を確認するとともに、新車を任される意味を理解してもらっている」
食品物流を手掛ける茨城乳配(茨城県水戸市)も、納車式を実施している一社だ。吉川国之社長は、「2〜3年前から始めた。当初は各営業所で近所の神社にお祓いを受けに行っていたが、管理職の予定が合わず、本社に宮司様に来てもらい、一括して行うようになった」という。「本社で安全祈願をきちんとすることで、営業所に安心して送り出せる」とし、「納車してくれたディーラーや架装メーカーの皆さんに、感謝の気持ちを伝える場という側面もある」と付け加える。
また、「自社サイトやSNSに投稿することで、『資金繰りの心配はない』というアピールになり、既存取引先や新規荷主に安心してもらえる。『毎年、新車を買っている会社なら自分も乗れるかも』と求職者に思ってもらえれば、応募につながることもあるはず」
船井総研ロジ(東京都千代田区)の橋本直行取締役は、「道具を大事にする意識を育てるとともに、安全・事故防止への機運も高まるため、納車式は行う意義がある」と分析。「SNSやブログなどで開催を報告し、新車導入を内外にアピールすれば、『伸びている企業』という印象もつく」という。また、「納車式に合わせて会社説明会を実施すれば、リクルーティングにつながる」とアドバイスする。
トラックドライバー求人サイト「ブルル」がツイッター上でドライバー896人に実施したアンケートでは、30%のドライバーが「納車式をやってほしい」と回答。「やってほしくない」は28%、「どちらでもいい」は42%だった。
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私は新車乗務打診があれば他のドライバーに回して来ました。私は長年会社に貢献したお爺ちゃんトラックをピカピカにして乗ります。