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    新卒採用で若返り図る 第一貨物・小松急送

    2019年8月5日

     
     
     

     運送事業の要として活躍するトラックドライバーだが、高齢化が進み、多くの中高年に依存している状況にある。将来のことを考えて、若年層を積極的に取り込んでいかなければ、間違いなくドライバー不足に陥ることになる。実際に、全産業と比較して低賃金・長時間労働(厚労省「賃金構造基本統計調査」より)である運送業のトラックドライバーになりたいという人は少なく、特に若年層や女性の割合は全産業と比べて極めて低い状況となっている。当然のことながら、新卒採用に取り組んでいる事業者は少なくない。だが、運送事業一本でやっている事業者では、運転免許の問題で積極的に新卒採用を行うのは難しい。育てる期間を設けるだけの余力がないというのが現状だ。ただ、中小運送事業者の中には「若い人に投資しなければ先がない」と考えている経営者も増えている。一方、10代でドライバーになりたいと考えている人もいないわけではないが、免許取得支援があって、働きたいと思える会社を探そうとしても情報が少なく見つからないという声もある。

     「トータル・ロジスティクス・サービス・プロバイダー」を目指している大手運送事業者の第一貨物(武藤幸規社長、山形県山形市)では以前から、大卒・高卒などの新卒採用を積極的に行ってきた。同社では「長期的な企業経営を考える上で、将来の幹部候補の確保、若い人材の定期的な確保は重要だ」と考え、「企業の活性化などの観点から定期的な(毎年)新卒採用は必要不可欠なこと」としている。

     同社の新卒採用への応募数は毎年、大学生が50人から70人、高校生が50人〜60人となっている。これらの応募者を獲得するために、大学生には様々な合同企業説明会に出展しているほか、大学キャリアセンターへの訪問、インターンシップの開催、SNSでの情報発信などを行っている。高校生には、高校訪問や職場見学の受け入れなどを実施している。

     また、新卒を採用するために、職場環境や給与、社内でのステップアップなどの制度や仕組みを整備しているほか、新入社員の研修制度(2〜6か月間。期間は職種により変動)やメンター制度、各種資格取得の支援制度なども整備している。さらに、同社では社内に設立から50年を超える「第一貨物流通技能専門校」(各種学校)を併設し、新入社員などの教育に力を入れている。

     若返りプロジェクトに力を入れている小松急送(小松政人社長、東京都八王子市)。2014年に社長に就任した小松政人氏は、「社長に就任する前から、自分の身銭を削っても新卒採用をやりたいと思っていた」とし、15年から若返りプロジェクトとして高校生の新卒採用を行っている。

     「会社が新卒を育てられる体質にならないと、いつまでたっても会社の発展はない」と言い切り、「弊社の規模くらいだと新卒採用は財務的に厳しいのは事実だが、それをやっていかないと会社は成長していかない」としている。

     同社が15年から行っている高校生の新卒採用には毎年、2〜3人の応募があり、採用している。これまでに採用した約20人のほとんどが今でも在籍し、順調に育っている。今年は社長自ら地元を中心に20校近くの高校を回って会社の説明を行った。学校の反応は比較的良かったということで、なかなか一般の人に認知されていない運送業について、興味を持ってもらえる機会をつくることが重要なポイントとなる。

     小松社長は「運転免許のない新卒の若い子を採用しても、免許を取得してすぐに辞めてしまうリスクも起こりうるかもしれないが、会社からいなくなるということは、会社に魅力がないということなので、その方がよっぽど問題だ」という。

     そもそも、若い人に働きたいと思ってもらえる会社でなければ、未来はないと考える。職場環境や労働条件などの整備は当然、必要なことだが、会社全体でそれぞれの人たちが責任感を持って、一生懸命若い人を育てようとする環境が重要だといえる。

     同社では、小松社長が高校生の新卒を採用する際、内定を出してから、卒業して入社するまでに一度、家庭訪問を行う。小松社長は「お子さんをお預かりするということで、直接会いに行っている。こちらの覚悟を見てもらうことで、親御さんも安心してくれるし、その子の人となりも知ることができる」としている。

     新卒を採用するためには、免許を取得して一人前になるまでの受け皿がなければ難しい。同社では、倉庫の手伝いや助手、事務仕事の手伝いなどをまかせている。そのほか、労働条件においても、年に少しずつ自動的に給料が上がるシステムにするなど、若い人に魅力のある会社づくりを進めている。

     
     
     
     
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