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物流ニュース
空調服 熱中症対策でドライバーにも人気、人材定着に活用も
2019年9月30日
両裾に取り付けた小型ファンで服の中に外気を取り入れ、体の表面に大量の風を流すことで汗を気化させて涼しく感じさせる「空調服」。熱中症対策の切り札として、ヘルメットと同様に装着を義務付ける大手ゼネコンも増えている。同製品の販売を手掛ける空調服(東京都板橋区)では、作業服タイプだけでなく、普段使いができる色柄のジャンパーから、ヘルメット用やベッド用まで幅広く展開している。
営業部副長の岩渕大征氏は、「体は気化熱を奪われて冷え、服の中を通って暖かく湿った空気は、襟元と袖口から排出される仕組み。倉庫での積み込みや屋外での荷下ろしなど、空調がない環境でも快適に作業ができる」と説明。「服タイプだけで30種類以上のラインアップを揃えている」が、「ドライバーさんに好評なのは袖がないベストタイプで、洗い替え用に2着購入される方が多い」という。
また、「空調服の導入で『働きやすい職場環境づくり』に取り組んでいるとアピールし、採用活動や人材定着に活用されている企業も増えている」とも。
同製品の誕生のきっかけは、同社の市ヶ谷弘司会長が20年ほど前に、高層ビルの建設ラッシュなど、発展が目覚ましい東南アジアを訪れた時にさかのぼる。「エアコンの電力消費量は凄まじく、環境への影響が懸念されており、なんとか改善できないかと考えた」ことが開発の契機になったという。「製品化後も、『服の中の空気を出す』ことから『服の中に空気を取り込む』ことに発想を転換するなど、試行錯誤を繰り返し、改良を重ねた末に現在の空調服が誕生した」。
人気商品ゆえにネット上では類似製品も増えてきている。同副長は、「法人顧客と継続的に取引を行ってきた当社では、ユーザーからの正直な感想や厳しい指摘を製品に反映させ、毎年、品質を向上させてきた。蓄積したノウハウで、壊れにくく、タフな現場にも耐えうる製品として評価頂いている」と自信を示す。
2018年は57万着の売り上げを記録した同製品。「2019年は130万着に拡大すると見込んでいる」という。「昨年は、夏に売り切れが続出してしまい、『今年は暑くなる前に』と、前倒しで購入される方が多く、梅雨前に完売してしまった商品もある」と嬉しい悲鳴を上げている。「生産を年中フル回転させ、対応している」と、思いは熱いが、人を冷やすために日夜奔走している。
クッションタイプも
「トラックドライバーの皆さんには、運転席に取り付けられるクッションタイプの『クールクッション』も人気」。これは、同社が独自に開発した立体メッシュ構造の空気流通路「スーパースペーサー」を使用したもので、ファンから取り入れた空気をクッション全体に行きわたらせる仕組み。電力はシガーソケットから供給され、「臀部や背中にたまった熱や湿気を常に排出できる」という。「エアコンを弱めにすることができ、エコドライブにも貢献する」。
◎関連リンク→ 株式会社空調服
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