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    労働者派遣法「使えない空白期間」戦力が突然ストップ

    2007年8月21日

     
     
     

     毎年繁忙期には正社員のほか一定人数の派遣労働者を使っていた引越専業者が突然、派遣元から「もう派遣できません」と通告され、困惑するという事態が首都圏で相次いでいる。「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(労働者派遣法)などが改正となり、04年3月1日から施行されたが、派遣会社などが十分な説明を行わないまま派遣契約を結んでいたケースに「被害」が出ている。


     国は法律で「派遣受け入れ期間」を超えて派遣労働者を使用することを禁じており、「他の派遣元から」ということもできない。引越輸送では「派遣労働力」を大きな戦力としている事業者も多く、全ト協(中西英一郎会長)は「対応を検討」している。
     都内のA社は長年、引っ越しシーズンには大手人材派遣業者から労働者の派遣を受け、作業をこなしてきた。ある日突然、担当者が電話で「今後3か月は派遣できない。3か月以上あけてから新たな契約を結び、派遣はそれからになる。申し訳ないが国が決めたことなので」とA社に連絡してきた。また、茨城県のB社には中堅派遣業者から文書で同様の通知があった。
     両社とも厚労省や地方労働局、日本人材派遣協会などに問い合わせしたところ、派遣会社の言う通りだった。「アルバイトを雇うしかないが募集にもコストがかかるし、作業品質など考えると本当に弱った」と異口同音に話す。こうしたケースが首都圏では相次ぎ、東京労働局の相談窓口(需給調整事業部)の電話は鳴りっ放しという。
     労働者派遣法が改正された時、トラック運送事業の派遣受け入れ期間は「1年」から「最長3年まで」に延長された。このため改正法の施行以降、新たに人材派遣会社と契約した事業者の大部分は「最長3年」を選んでいる。
     しかし、本来契約時に必要な「派遣受け入れ期間制限抵触日」の通知に関する説明をきちんと人材派遣会社が行わなかったケースも多く、改正法施行から3年以上経過した最近、トラブルが目立ち始めたようだ。「最長3年」ではなく、その直後の「派遣労働者を一切使ってはならない」とされる「3か月と1日以上」(「派遣先が講ずべき措置に関する指針」厚労省告示第四四九号)の「空白期間」が問題になっている。
     改正前、受け入れ期間が1年だった当時も空白期間は規定されていたが、ほとんど問題化しなかったのは「業務請負」と「労働者派遣」の区別が不明瞭な形で行われていたことが大きく、改正後もあやふやな形で結ばれた契約も多いという。この意味では派遣会社側に大きな瑕疵(かし)があると言えるが、厚労省担当官は「派遣労働者を受け入れる側ももっと法律を理解してほしい」と説明する。
     労働者派遣法の改正では派遣受け入れ期間延長だけでなく、関連する様々なルールが細かく設けられ、同時に監督機関の監視も厳しくなり、スタッフも増員された。「最近はニュースで大手人材派遣会社の経営姿勢が話題になるなど、国民の目が厳しくなったことから、コンプライアンスを無視できなくなり、通告してきたのだろう」とB社の幹部。
     一方、受け入れる側でも大手企業などでは事業所別に契約して空白期間がなくて済むよう工夫しているケースもある。派遣受け入れ期間の制限の適用対象は「同一の業務」「組織の最小単位」。事業所別なら「組織が異なる」という解釈だ。
     いずれにせよ、国は「正規雇用促進のため、労働者派遣には縛りをかけている」と説明するが、トラック業界はドライバーも含め、「派遣労働者」に頼っている部分が大きい。全ト協の対応を見守りたい。

     
     
     
     
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