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射界
2020年6月22日号 射界
2020年7月13日
大昔、経済は「物々交換」によって成り立っていた。交換したい荷物を持っていき、自分の気に入った商品と交換する。簡単に交換できるはずはなく、常に価格(?)交渉をしなければいけなかった。交渉が成立しても、交換した荷物は自分で持ち帰らなくてはならない。物々交換が当たり前の世界なら当然のことだ。
▲物々交換はどうしても非効率だ。そこで貨幣などの「おカネ」が導入される。かさばらない貨幣などは持ち運びにも便利だ。それでも、金貨、銀貨、銅貨などは軽いとはいえかさばると重い。貨幣を使いにくいとして「紙幣」が生まれる。しかし、ここまで来ても「買った荷物」は持ち帰らなければならない。「ネット通販」はこの常識を簡単に覆した。
▲自宅にいながら、商品を購入、受け取ることができる。古くから続いてきた個人の経済活動が、新しい技術によって新しいステージに移ったといってもいい。それを可能にしたのが、世界レベルの宅配便システムだろう。お米や水などの「重い荷物」は最初から自分で運ぼうとはせず、ネットで注文する。現在ではすでに当たり前のことになっている。
▲明日のことがだれにもわからないように、次の物流がどのような形態になるのかはわからない。しかし、一度上げた生活レベルを下げるのは難しい。経済が物々交換に戻らないように、宅配システムがなくなることはない。どのように宅配便を維持しつづけるのか。コロナによる「ステイホーム」が一つのきっかけにはならないか。
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