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射界
2016年5月23日号 射界
2016年5月27日
テレビ番組を彩る出演者を総称して、一般的に「タレント」と言うが、英語本来の意味は「才能」を指しての言葉だ。では才能とは何かだが、著名な社会学者によれば「ある活動を立派に成就させる色々な能力の結合された力」と定義している。その裏には「どれほどできるか・できないか」という能力差も示唆している。
▲テレビに出演する人々の才能は多彩かつ多岐にわたり、話術に秀でた人もいれば、場に合わせて即興のコントに特色を見せる人、歌唱力に優れてモノマネのうまい人、特定分野の分析力豊かな人など色々だ。そんな人々の才能を見せつけられながら、さて、いま得意とする表現力の輝きが将来にわたって磨きのある能力として発揮できる可能性を維持できるかを、つい考えてしまう。▲総じて人間は、自分から学ぼうとする人もいれば他人から学ぶ人もいる。加えて何ものからも学ばない人…の三種がある。何ものからも学ばない人は救いようがないが、他人から学ぶ人は将来の可能性に期待できるし、自分から学ぶ人は自らを厳しく律し、努力していくなかで自らの能力を見つけ出して伸ばしていく人と期待できる。いずれにして試行錯誤を繰り返しながら力を付けていく。
▲そこで問題となるのが経験だ。経験豊かな人は慣れ親しんだ習慣から、惰性によって行動する弊害がある。才能は本来、未知への挑戦で発揮され、自らが信じる目標を目指し、時には蛮勇を見せつけることもある。真の「タレント」たるためには、色んなバリアを乗り越えて鍛え上げなければ真の輝きもない。「タレント」と言われない我々とて、努力と研鑽なくしては存在感はない。
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