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射界
2018年4月2日号 射界
2018年4月23日
4月は新入社員を迎えるが、初の会社勤めに戸惑う人も少なくない。多様な人間関係の機微に触れるからだ。職場は明るさによって仕事の能率も違う。能率の深浅は朝のあいさつで決まると言っても過言ではないだろう。それがきちんとできれば職場に慣れるのも早く、必ず人間関係も良好になる。
▲この世を生きていく必要な事柄について、色んな原理原則が唱えられ教えられている。その大半は常識的で平凡なものが多いが、ともすれば高遠な「道」を教えたがる傾向が強い。時代と共に常識的では物足りなくなり、次第に枝葉末節にこだわり、結局は実行できない困難だけが残る。単純な朝のあいさつ「おはよう」すら、時として軽んじられる空気がある。
▲「道は爾(ちか)きに在り、而(しか)るにこれを遠きに求める」と中国古典の一つ『孟子』は記しており、「道」は身近なところに平凡で常識的な教えとしてあるのに、人はなぜか高遠な「道」と言い、ことさらに難しく考え、勿体ぶって説きたがる。加えて、常識的な事柄を無視して枝葉末節に走る余り、結局は難しくなって簡単に実行できなくしている。
▲職場の人間関係を良好に保つのは、世間で言うほど難しくない。朝の「おはようございます」という声かけを明るく元気に言うだけでよい。大勢の中には無言で返す人もいるかも知れないが、毎朝、根気よく元気に声をかければ少しずつ反応がある。それを感じたら幸い。声を倍して繰り返すことだ。ごく平凡で小さな努力が、穏やかな人間関係を築いてくれる。
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