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射界
2018年5月21日号 射界
2018年5月28日
「天は自ら助くる者を助く」という格言がある。他人を頼りとせず、自立して努力しなさい。そうすれば必ず成功する…と諭す言葉だ。その始まりは古代ギリシャとの説もあるが、古今東西広く使われてきた格言だけに説得力は強く、今の時代にも十分通用する教えで、色んな場面で使われている。
▲ある日突然、予想外の大量注文に見舞われる。担当者は大喜びする一方、同僚の一人は「オレには女神は微笑まないのか」と自嘲してうらやむ。そうだろうか。幸運に舞う人は人知れず、顧客のために目立たないが頼み・頼まれの緊密な関係を築く努力を惜しまなかった。自嘲する同僚は果たして、それだけの努力を尽くしただろうか。自問すればすぐ分かる。
▲世間は一般的に「運がよかった」と解説するが、いくら運が強い…と言っても、何もせずして成果が勝手に飛び込んでくるわけではない。目立たないが根気よく日々の営業活動を繰り返し、お互いの信頼関係が築かれてこそ、突然の大量注文が生まれてくる。自分では気づかないまま強運を築き上げている。無言の努力を活かすかどうか、それは本人次第である。
▲努力して成功を勝ち取った喜びも大きいが、突然の幸運は格別だ。人知れず努力して開花した感激が伴うからだ。「ラッキー」の声もあるが、幸運を呼び寄せた努力にも目を向け、自然体で尽くされた努力は特別な喜びがあってもよい。パスツール(フランスの細菌学者)は「偶然は、準備のできていない人を助けない」と言うが、含蓄ある警句と理解したい。
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