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第8回:扱い困る負の遺産
2010年7月1日
今から10年以上も昔、株式会社を設立するためには資本金が1000万円必要だった時がありました。この資本金のお金がないため、資本金1000万円の休眠会社を買ってきた社長がいます。休眠している会社ですから決算は全くしていないため、税務署にも決算書を提出しておらず、税金の未払いも一切ないと社長は聞いていました。そのため、社長の会社は資本金1000万円という数字だけで、財産も借金もないという状態で会社が始まりました。
しかし、この休眠会社を復活させてから3年後、税務署から連絡があり、「休眠前の最終決算書の数字を引き継いでいないので、決算書を修正するように」と指導を受けました。修正の内容には、会社が赤字でも支払う税金である地方税の均等割りが未納となっているので、未払税金という負債を計上すること、とありました。
社長は休眠前の前社長との付き合いがまったくなく、この未払税金がすでに支払われているのかどうかわからないため、今でも会社の決算書には未払税金の科目が残ったままになっています。
残ったままでも、税務署から是正するようにとの指導は受けていません。しかし、この未払税金が残っていることが原因で、現在は金融機関からの融資が止まってしまい、社長は大変困っています。
社長は過去の税務署の指導による修正の経過を説明し、未払税金は税務署の指導によるものと説明しましたが、金融機関は「それでは未払税金の処理の仕方を、書面で説明してください」という冷たい返事が返ってくるばかりです。
社長はこの未払税金を自分が支払って融資を進めることを覚悟していますが、「今までも融資を受けてきたのに、どうして今回はそんなことを言うのか」と金融機関の身勝手さに閉口しています。
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