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    待機場所なく困った 知らぬ顔の荷主

    2011年7月25日

     
     
     

    truck2_0725.jpg 首都圏で建材輸送を手掛ける事業者は、「現場へ搬入する際の待機時間は、ドライバーにとってかなりのストレスになっている」という。特に東京などでは待機場所の確保が難しく、現場によっては駐車場所を探すのに一苦労することも少なくないという。加えて、駐車禁止の取り締まりが強化されたことから、「指示があれば、すぐに届けなければならない中、ある程度の距離で待機する必要があり、場合によってはトイレも我慢しなければならないドライバーもいる」と嘆く同社長。現場では、自分さえ良ければいいという身勝手な荷主の姿が浮かび上がってくる。



     建材輸送を手掛ける同社にとって、配送先は建設現場となるため、場所はその時その時に変わる。荷主は大手ゼネコンだが、同社への指示は現場で行われる。

     配送は、現場の作業にあわせて実施されるため、作業の進捗状況によって、待機時間も生じてくる。その場合、同社のドライバーは現場近くに駐車場所を確保しなければならない。しかし、現場周辺は駐車が認められていない。同社長によると、現場の半径2?圏内での待機は荷主によって禁止されているという。近隣住民のクレームを防ぐための措置で、荷主が見回りを実施、監視する徹底ぶりだ。

     ただ、「かといって、指示があれば、すぐに届けなければならず、会社の車庫で待機するわけにはいかない」という。そのため同社では、現場から2キロ以上離れた場所で待機場所を見つけなければならない。

     「地方なら駐車スペース確保も容易だが、首都圏は困難で、ドライバーのストレスも強まる」と同社長は指摘する。おまけに駐車禁止の取り締まりが強化されたことから、短時間でも車を離れることができず、場所によっては、「トイレさえ我慢しなければならない」という。

     本来、待機時間は荷主の作業が原因で事業者を待たせるということを考えると、待機場所の確保は荷主側がすべきはず。

     しかし荷主は、運送事業者に現場周辺での待機を禁止した上に、監視までする徹底ぶり。待機場所を確保するどころか、迷惑だからと現場周辺での待機を禁じる始末だ。おまけに、禁止エリア以外の場所で勝手に待機してくれという、何とも身勝手な姿勢をみせる。

     「搬入の指示を受けると、すぐに搬入しなければならない。荷主の指示下にあるという現状を考えると、待機場所の確保は荷主が行うのが筋」と指摘する同社長だが、「仕事をもらっている以上、そんなことは口が裂けても言えない」のが実情のようだ。

     「指示があるまで現場エリア外で勝手に待機しておけ」と理不尽な要求をする荷主の身勝手な行為と、それに従わざるを得ない運送事業者。その両者の関係が、末端のドライバーにしわ寄せとなって影響を及ぼしている。(高田直樹)

     
     
     
     
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