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    TPP参加は中小トラックに影響大 最低車両台数撤廃ありうる

    2011年12月9日

     
     
     

    truck_1212.jpg TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加を巡り、野田佳彦首相は先月、「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と微妙な言い回しを表明したが、国内では政財界をはじめ賛否両論が渦巻き、いまだに意見が統一されてないのが実情だ。こうした中、「物流、とくに中小企業の多いトラック業界も無関係ではない」と多くの学者は指摘する。



     TPPは現在、21の分野で交渉(作業部会)が行われている。その中で物流に関係するのが「越境サービス貿易」で、運送事業などはこれに入る。現在、「数量規制・携帯制限の禁止」などの義務を設けることや「関連措置の透明性確保」が議論されている。

     外国への(または外国からの)市場アクセスは、自由化対象のみ記載するポジティブ・リスト方式でなく、リストに記載したものは適用対象としない「ネガティブ・リスト」方式を採用する見込みで、内閣府も規制緩和が一層拡大すると認めている。

     中小トラック業界への影響はどうなのか。岡田清・成城大学名誉教授は「ものすごいことになる」という。「米国主導の自由化が襲ってくる。『非関税障壁の撤廃』ということで今、日本で検討・保留中の規制も相次いで見直される。最低車両台数の撤廃もあり得るだろう」。

     規制緩和反対論者でもある岡田氏は「米国が、なぜTPPを強引に推し進めようとしているのか見方が甘い。自由化だ、グローバリゼーションだときれいごとで押し切っている。その背景をもっと読むべき」と強調する。

     物流ジャーナリストの森田富士夫氏も「海外のトラック事業者が日本のマーケットに参入してくる可能性がある。その際、非関税障壁となるのは参入規制。つまり最低車両台数規制だ。そう遠くない将来に規制撤廃の声が出てくるだろう」と指摘。また、「日本の農業崩壊が始まることで農産物など一次産品の貨物量が減少、それらを荷主とするトラック事業者はダメージを受ける」と予測する。

     H・I・プランニングの岩?仁志代表も「農産物を担う地方のトラック事業者は、物流そのものがなくなってしまう危機的状況にさらされるかもしれない」という。「TPPの裏には海外の資本投資がメーカーだけでなく、閉鎖的な物流業にも進む可能性が潜んでいる。小規模事業者にはコストダウンの圧力が増大し、大手は再編による生産性向上と海外企業に対抗できる情報化、管理体制の構築が急務となる。安く運用できる海外資本の物流業者が国内でも増えれば、他社との差別化がまだ進んでいない国内事業者の経営はますます厳しくなる」。

     こうした意見に対し「そんなに考えることはない」と神奈川大学の中田信哉教授。「物を売ったり、作ったりする業界には海外企業の参入もあるだろう。しかし、日本の国内物流サービスに進出してくるだろうか。来るとしても時間がかかるだろう」という見方だ。

     内閣府は日本がTPPに参加するとGDPが「2.4―3.2兆円増える」と試算。経産省も参加したほうが国益となり、逆に参加しないと「2020年までにGDPが10.5兆円減少する」と予測する。一方、農水省は「参加は大きなマイナス。GDPは農業関連で4.1兆円、全体で7.9兆円ものマイナスになる」と試算する。

     国交省はこうした試算をしていない。TPP参加についても「ノーコメント」だった。

     ただ、自動車局のある担当官は「個人的には、20年以上前に米国から襲ってきたデレギュレーション(規制緩和)の大波以上のダメージがあるのではと思う。あれで規制緩和が一気に進み、物流2法の施行など新展開のきっかけになった」と話している。(土居忠幸)

     
     
     
     
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