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    弁償するも引き取り拒否 公取委「優越的地位の濫用該当せず」

    2012年3月27日

     
     
     

    truck3_0326.jpg 大手物流会社の仕事を請け負っている運送会社が、商品である洗髪剤をフォークリフトで運搬中に転倒させてしまった。商品が入った段ボールケースは歪んだものの商品は無傷。物流会社は弁償金26万円を要求してきた。運送会社は弁償する代わりに商品の引き取りを要求したが、物流会社は拒否。運送会社社長は「独占禁止法の優越的地位の濫用に当たるのでは」と主張するが、公取委では「該当しない」と問題視していない。



     運送会社は1月上旬、「商品は急ぎ荷物」ということで機転を利かせ、予定配送日の前日に、2万6000円の運賃で大型トラックを物流センターに走らせ、納品。しかし、物流会社は「指定日でない」と激しく怒り、商品の回収を指示。新人運転者は再びトラックを走らせ商品を引き取りに行ったが、「仕事を切られるのでは」と焦り、フォークリフト操作を誤り、商品を落下させてしまった。

     ラップで包まれた商品であったが、段ボール48ケース中40ケースが破損。箱は歪んだが、中身は液漏れなどなく無傷。新品同様の状態であったが、物流会社は弁償金として商品の売価で26万円を請求してきた。

     運送会社は中身の商品を検品して新しい箱に詰め替えさせて欲しいと要求したが、物流会社は拒否。また、「弁償するので、商品を引き取らせて欲しい」と従業員の福利厚生用に使用する旨を伝えたが、「あくまでも弁償金。商品の流通が狂ってしまい、新商品のため横流しされるケースも考えられ、廃棄処分する必要がある」と拒否。

     荷物保険に加入していない同社は26万円を自腹で弁償した。運転者は責任を感じて1週間後に退職した。物流会社は、「お宅が勝手にフォークを動かして商品を破損させておいて、その態度は一体、何なんだ」とも怒鳴り散らしてきたという。

     運送会社社長は「物流センター内での作業については、作業料金を別途もらっているわけでもなく、本来、物流センターの仕事。担当者は見ているのに注意することもなく、『フォーク作業をしなければ次からは来なくていいよ』という暗黙の圧力で、こちらがサービスで行っているだけだ」と不満を爆発させる。

     さらに「商品を売価で弁償させておきながら、商品の引き取りをさせないのは元請け事業者の優越的な地位の濫用に当たるのでは」と怒りは治まらない。

     公取委によると、「基本的に強い立場の事業者がその立場を利用し、弱い立場の事業者に不利益を与える、または市場に悪影響を与えれば、優越的地位の濫用にあたるが、今回の件は物流業者と荷主との間のトラブルで、個別の取引上のことなので該当しない」と説明。

     さらに「商品の所有権について、どういう契約をしているのか。26万円の位置付けは商品を買い取る趣旨なのか。これなら所有権は移るが、納期が遅れ、売れる商品が売れなかったなど迷惑を被ったという損害に対してなのか」と商品破損についての契約内容が重要になってくるとし、「損害の範囲以上で弁償金を請求してくる、今回の事故を理由に不利益を要求するなら別であるが」とも話している。(大塚 仁)

     
     
     
     
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