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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(324)人材育成について(19)
2021年3月1日
企業活動にあたって、望ましい人材を育成するうえで、留意点となるのは何か。それは一人ひとりの個性に裏打ちされた的確な目標設定と、その目標を実現するうえでの粘り強さと自発性を一人ひとりが獲得するうえで、リーダーはどうすればいいか。粘り強さとは困難があっても投げ出さず、諦めず、目標に向かってやり通す精神力である。自発性とは自ら進んで行うことで、他から教示されるのではなく、内部の原因、力によって思考、行為がなされることである。一人ひとりが粘り強さと自発性を発揮するうえで、リーダーの役割は共感者、助言者にある。リーダーとしては共感、助言というコーチ役に徴することである。
無力感は如何にして生ずるか。家庭環境を例にして考えてみよう。小さな子供が無力感を覚えるのは、応答がない時である。幼児が公園に行って遊びたいので公園に連れて行ってもらいたいとしよう。「おかあちゃん、公園に連れてってよ」と問いかけて、うんともすんとも母親から応答がない幼児は問いかける力を失う。幼児にとっては自分の働きかけによって環境の中に好ましい変化が生ずる経験を持たないと、無気力な表情となる。親にとって応答性ということが大切である。適切なタイミングで、子供の期待する仕方で応答することで、子供を無力感に陥らせずにする。
応答は丁寧すぎると逆効果となる。例えば洋服を着ようとして「お母ちゃん、洋服着せてよ」に対して、丁寧にお母さんが洋服を着せていると、その子はいつまでたっても一人で洋服を着れないか、甘えた子になる。洋服を一人で着るための適確な助言と、一人で着れた時に「良かったね、一人で出来るじゃないの」と共感するのが教育の本質である。
(つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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