-
ブログ・高橋 聡
第282回:令和時代の運送業経営 管理職編(80)
2025年2月20日
【リスク対応編】80
「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今号も中小運送業における「事業承継リスク対応」に関し解説してまいります。
1.事業承継リスク
中小運送業における「事業承継リスク」には、大きく「後継者難」「納税」「経営承継」リスクがあります。いずれも頻度は低いが経営への影響度の大きいリスクで早い段階での対策が必要です。2.後継者難:M&Aによる承継
親族や社内人材による承継ができない場合にはM&Aによる承継が行われることとなります。M&Aビジネスは活況で会社や経営者の自宅にDMが多数届いています。また、金融機関が収益源の多様化の観点でM&Aビジネスに乗り出しています。
事業承継はスムーズにいかない場合、雇用されている社員や取引先に与える影響が大きいのでM&Aによる承継を税制面からも後押ししています。
弊社のお客様でも株式公開会社によるM&Aでグループ企業入りしたケースが数社あります。公開会社の狙いは「ドライバー・物流ネットワークの確保」です。
例えば関西地区本社の公開会社が関東圏の100両ほどの中小運送業をM&Aする、といったケースで、自社で営業所を設置するよりもM&Aの方が短期でネットワーク構築を図れることがメリットとなります。
また、自社より車両台数・人数規模の大きな会社を傘下に収めるM&Aも多く行われるようになりました。
金融機関もM&Aに関する融資を積極化しており案件を持ち込んでくるケースもあるようです。
M&Aが有効な手段となりましたが、最も重要なことはM&A後の経営実務であると考えます。M&Aを成立させることとM&A後の経営を軌道に乗せることは難易度・リスクが数段異なります。
M&Aが手数料ビジネス化している現状はやはり違和感があります。
関連記事
-
-
-
-
筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
「ブログ・高橋 聡」の 月別記事一覧
-
「ブログ・高橋 聡」の新着記事
-
物流メルマガ