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物流ニュース
実運送の事業者の声 委託次数制限を問う 「本気で取り組む必要があるのか」
2026年5月28日New!!
「物流2026年問題」と言われるなど、改正された物流効率化法や貨物自動車運送事業法により、新年度からさまざまな法的義務が荷主や実運送事業者、貨物利用運送事業者などに課された。
そのなかでも多くの運送事業者が「本気で取り組む必要があるのか」と困惑しているのが、努力義務である「委託次数の制限」だ。4月から、荷主から運送を受託した元請けをゼロ次としてカウントし、元請けからの再委託の回数を2段階までに制限するよう努めなければならないが、罰則がないこともあり、実運送事業者の受け止めはさまざまだ。
制限に「賛成」
北海道石狩市の事業者は「8次請けまで聞いたことはある。努力義務というより、厳格にやっていかなければダメ。委託を重ねるにつれ、運送の質の悪さが絶対出てくる」とし、道北の事業者も「困るのは実運送ではなく上の会社では。自分が4次で請けていたとしたら、2次までに上がりたいし、その後押しとなる」と話す。
道央の事業者も「(取引先の)顔が見えるようにしたということ。どんなドライバーが来るか分からないのが一番注意しなくてはならず、次数が下がるにつれて教育もままならなかったりする。私は賛成」との反応。
別の道央の事業者は「輸送量が減っており、ここ数年は多重下請けはない。以前は知らない4次、5次くらいのところがきて、お客さんからお叱りの電話を受けることも。半袖、短パン、サンダル履きとか、道具もなく何をしたらいいかも分からない、そんなこともあった。次数が下がると運賃のみならず、輸送品質が落ちてくるのは間違いない」と話す。

努力義務に甘える
努力義務で助かっているという声も。札幌市の軽貨物事業者は「軽貨物はもともと元請けにはなりづらく、大体2次請けくらいからの場合が多い。なので法律どおりだと、下に振れないというケースが日常的に発生する。最終的な個人事業主のドライバーが4次、5次請けということもザラ。反対だが、努力義務で罰則がなく、時間を稼げている間はありがたい」と実情を話す。
同市内の運送会社の幹部も「お客さんから台数を要望されると協力会社が必要になってくるので、下請けは抱えておかなきゃならない。彼らも僕らと同じ立場になってくれればいいと思っているが、そうなると売り上げ(手数料)が減るので、荷主がそれをカバーしてくれるような運賃を考えてくれれば。努力義務で今は甘えているのが本音というか、まだ大丈夫かなっていう感じ」との声だ。
水屋の問題
「3次以降で大手水屋のアンダーっていうのが結構あり、これがもしダメなら輸送が滞ってしまう。今後ちょっとどうしたらいいかなっていうところはある」と道央の事業者。別の道央の事業者も「大手になるほど水屋を使っている割合が高い。ファクスだけで『この件頼むね』と送ったら、水屋はバンバン探す。彼らは何とか対応をするので、そこの粘り強さみたいなのを求めている。それで運賃水準がすごく安い。ドライバーもつっかけ履いてヘルメットも被んないというのが当たり前。利用運送で水屋を規制するのが先だ」と強い口調で話す。

3次以降はひとまとめに
シズナイロゴス(札幌市白石区)の伊藤昭人相談役は「2次下請けということは、何を基準として決めたか、多くの事業者に何の説明もない。こういう大事な法律を決めるんだったら広く意見を聞いて、本当にこれでいいのかという話をしないといけない。どうしてこの内容で決まったのかが不思議だ」と話し、「本当に3次、4次、5次の下請けがなくなって物流が回るのか。本質的な問題は委託の次数ではなく、実運送事業者にきちっと運賃・料金を払いなさいってこと。20%も30%も手数料を抜いて安い料金で委託するなら1次、2次でも問題。ある程度の料金を定め、例えば、実運送は標準的な運賃から何%引きでやるなど、3次以降になっても安心して仕事をできるということを適正原価を待たずに法制化すべきだったのではないか」と提案する。
また、「3次以降の事業者をひとまとめにして、直接元請けなどと同じ条件で荷主と交渉できる立場になれるよう、協力するような業界内の動きもない。彼らが5〜10台の規模でも10社でまとまればそれなりの塊になる。これで荷主企業からも直接仕事を受けてもこなすことができるという形になったら、規模の大きいところと同じ条件で競争ができる環境になる」と話す。
同様の動きも出ているが、すぐにはうまくはいっていない。道央の事業者は「3次、4次まで行く仕事はどうしてもあって、荷主ともどうしたらいいだろうと話し、1次としてそこで全社に運賃も平等にして振り分けるという案もでた。みんな真剣に考えたけど、最終的にはそんなものできないよとなって、話が止まっている」と話す。
別の道央の事業者も、「元請けは縦に取引先を見るのではなく、横並びで考えるという思考が必要だ。次数が下の会社を引き上げ、実運送事業者を底上げしていくことで、運賃水準、品質水準も平準化していく」と話す。ただ、「本来の委託制限っていうのは、それを目的としちゃいけない。ドライバーにいい給料を払ってあげて、この業界がより良い業界になるのが目的だと思う。2次、3次にこだわるのは目的と手段がごっちゃになっている」と声をあげている。
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