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ブログ・高橋 聡
第281回:令和時代の運送業経営 管理職編(79)
2025年2月6日
【リスク対応編】79
「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今号も中小運送業における「事業承継リスク対応」に関し解説してまいります。
1.事業承継リスク
中小運送業における「事業承継リスク」には、大きく「後継者難」「納税」「経営承継」リスクがあります。いずれも頻度は低いが経営への影響度の大きいリスクのため早い段階での対策が必要です。2.後継者難リスク
「後継者難」は大変大きな課題ですが、簡単に対策が見いだせない問題です。親族承継の場合、多くの場合はご子息が継ぐこととなりますが、「子の意思」を親が決めることはできないこと、無理に継がせたとしてもいずれ問題を引き起こすことになるので、ご子息の意思が重要です。
弊社のお客様の場合、年齢的には30歳代位から現場、総務系の業務を担い現社長の引退によりバトンタッチするのが典型で、このような承継であれば株の移転などある程度は計画的に進めることができます。
一方、民間会社勤務していた40歳代のご子息に急きょ承継させる、というケースもあります。このような場合、社内外の関係者に認められる存在になり得るかが問題になる場合があります。ドライバー不足や燃料代・車両価格高騰という経営環境の下、息子が経営を継ぎたがらないケースが多くなっているのが実情です。
子が継がない場合の選択肢としては「社内人材」の登用という選択肢があります。
例えば、社長の右腕だった役員や幹部登用があり得ますが、実際に「社内人材」が承継している事例は多くありません。借入債務の保証や社内対応の問題から決断ができないケースが多いのが実態です。
親族が承継しない場合、社内幹部による承継ができない場合はM&Aを検討していくことになります。近年では親族・幹部による承継ができないケースが多くM&Aビジネスが活況です。
承継がM&Aにより実現することは良いのですが「手数料ビジネス化」している実態はいかがなもの、と感じます。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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