-
ブログ・上西 一美
第134回:運転のなかでもっとも危険な進路変更
2025年1月20日
日本事故防止推進機構(JAPPA)の上西です。交通量が多くなるこの時期、交通事故も増加します。特に気をつけておきたいことは、目的地に少しでも早く到着したいという気持ちから、速度超過や車間距離不足、進路変更が多くなることです。
進路変更は、運転のなかでもっとも危険な行為だと思います。よって、道交法でも「みだりにしない」と定められているのです。例えば、時速40kmで走行中、後方確認を1秒でも行えば、前方を見ないまま約11m進んでしまうことになります。皆さんは、目隠しで11㍍を運転できますか? 進路変更は無意識のまま、その危険な行為を行っているのです。
さらに、人間は焦りを感じているとき、必ず動作が先走ります。「動作が先走る」とは、運転でいうと、確認する前にハンドル操作やアクセルを踏んでしまうことを言います。よって、確認をする前に車両が動いてしまい、見た瞬間には、すでに事故を起こしてしまうのです。
このような運転傾向は、運転適性診断の結果でもわかります。運転適性診断のなかで、動作と判断のタイミングの点数が低い運転者は、よりこの傾向が強くなるので注意が必要です。では、どのような対策をするべきなのか? まずは、リスクが高い進路変更自体を極力やらないことです。その1回の進路変更で早く到着するかもしれませんが、交通事故のリスクを抱えてまでする行為ではないことを認識するべきです。
そして、動作が先走らないように、日ごろの運転から確認する前に操作をしないということを意識して実践しておくことです。日ごろの運転のなかで、確実な確認を行うまで動かないという習慣を身に着けておくべきです。
関連記事
-
-
-
-
筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
「ブログ・上西 一美」の 月別記事一覧
-
「ブログ・上西 一美」の新着記事
-
物流メルマガ