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物流ニュース
稚内軽量運輸 買い物弱者対策事業に採択
2015年6月26日
北海道経済産業局は4月16日、稚内軽量運輸(佐々木政美社長、稚内市)が「平成26年度補正中心市街地再生事業費補助金(買物環境整備促進事業)」に道内から唯一採択されたと発表。同補助金は、食料品など日常の買い物の機会が十分に提供されない地域で、買い物に困難を抱える人々に買い物機会を持続的に提供できる事業に対して、費用の一部を支援しするもの。全国での採択件数は20件。
同社は運送業者の特性を生かし、地域のニーズに即した移動販売車による買い物困難地域への巡回販売を行うほか、情報専用端末を貸し出し、高齢者でも容易に注文できるネットスーパー事業(配送)を利尻・礼文島を含めて実施する。また、地元の既存小売店の販売支援を行い、小売店舗の減少にも歯止めをかける。この事業について、車両購入費・ITシステム導入費など経費の最大3分の2が支援される。
北海道は、地方での過疎化や高齢化が進む一方、商店数の減少、店舗立地の郊外化、公共交通サービスの縮小などで「買い物弱者」の問題が顕在化している。農林水産政策研究所のデータ(平成25年6月更新)によると、生鮮品販売店舗まで500m以上あり、車を持たない人口は道内では9.5%と1割近くにのぼり、全国平均の6.7%を大きく上回っている。
道経済部は3月に「道内での買い物弱者対策及び流通対策の取り組み事例集」を発行し、各地域で行われている買い物弱者対策や流通対策の取り組み19事例を紹介。移動販売や宅配、朝市、買い物代行、交通支援、流通対策などを分類して取りまとめたが、物流事業者主導の取り組みは1例も掲載されておらず、多くは小売業、自治体、商工会などによる取り組みだった。
見方を変えれば、買い物弱者対策は物流事業者にとって「拡大していく新たな市場」ともいえ、うまくニーズを取り込めば社会貢献を兼ねた新たな事業に発展していく可能性もある。経産省は同15日に「買い物弱者問題に関する調査結果」とともに、「買い物弱者応援マニュアルver.3.0」を公表しており、物流事業者による買い物弱者対策が広く実施されることが期待される。この記事へのコメント
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