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物流ニュース
ビームスHD 最先端のRFID導入、作業負担は従来の半分
2016年3月29日
アパレルのセレクトショップとして若者の支持を集めるビームス。今年3月には40周年を迎えるが、ブランド数の広がりに呼応する形で、物流も変貌を遂げてきた。
最先端のRFID(自動認識システム)を導入し、作業効率の向上に取り組んでおり、今年中には全店舗への導入が完了する見込みだ。ビームスホールディングス(設楽洋社長、東京都新宿区)の清水伸治取締役は、ロジスティクス本部兼情報システム本部本部長として、今後の物流の姿を見据えながら、様々な仕掛けを構想している。
ビームスの物流は、6割が自社、4割がアウトソーシングで、東陽町のディストリビューションセンター(DC)が5000坪、入荷の検品・仕分けを行うトランスファーセンター(TC)は2000坪、アウトレット向けのセンター3000坪の、計1万坪を所有する。
近年の人手不足の波は同社にも及んでいる。「一部、派遣の方に頼まないといけない部分も出てきた」と清水取締役。初めて従事する人にもわかりやすく、また極力負担が少ないように、〝特定の人物でないとできない仕事〟をなくしていく必要があった。そして行きついたのが、「歩かせない」「探させない」など、物流における「6ない運動」を突き詰め、作業をシステム化することだった。
システム化に踏み切ったのは2002年、WMS(庫内在庫管理システム)とピッキングカートを導入した。その後、04年のセンター移転に伴い2種のソーターを設置。現在、ピッキングカートを含め機器類はすべてRFIDシステム対応用に改修されている。
ピッキングカートは、モニターに商品情報が映し出され、指示されたロケーションに移動し、商品棚や折り畳みコンテナから商品を取り出し、カートに設置されたリーダーにICタグをかざせば作業は完了する。また、誤って摘み取ってしまった場合には警告音が発せられる。
ハンガーソーターでは、ハンガーにかかったスカートやジャケットがコンベヤー上を流れ、機械がICタグの商品情報を読み取り、店舗ごとのレーンに自動で仕分けする様子が見られる。
フラットソーターでは、投入作業台にICタグを読み取るリーダーが設置されており、作業者が商品のICタグ情報を読み取った後、コンベヤー上のトレーに商品を載せる。投入台の次のゲートで空だった皿に商品が乗ったことを認識し、ゲートを通過した商品はコンベヤーを流れ、指定された番号の箱に落ちる。1時間に3000~4000ピースの仕分けが可能で、清水取締役は「効率化が進み、従来の半分の作業負担で済むようになった」と話す。店舗でもRFID対応を順次進めており、今年中にも全店舗への導入が完了する予定だ。
清水取締役は「物流は完成形に近づいている」と話すが、手綱を緩めることはない。今後、ICタグを使って顧客に情報提供したり、オムニチャネル(店舗とECの併用)を促進することなども構想中だ。
今年5月にはアウトソースしていたEC物流を自社化する予定で、自動梱包機を使用し、商品を箱に入れてから送り状を貼りつけるまでの工程を自動処理したり、単品でピックアップしてきた商品を1人が2、3点買う場合に荷合わせできるようにするマテハン機器の導入といった、新しい仕掛けが目白押しだ。
◎関連リンク→ 株式会社ビームスホールディングスこの記事へのコメント
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