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物流ニュース
王将フードサービス 成形餃子の配送に切り替え
2016年4月4日
「餃子の王将」で知られる王将フードサービス(渡邊直人社長、京都市山科区)は先月、埼玉県東松山市に「東松山工場」を開設した。千葉県の船橋工場が手掛けていた関東圏160店舗への食品供給機能を移管するとともに、新たに成形餃子の供給に着手するなど、同社にとって一つの転換点ともなる拠点だ。
同社の担当者によると、これまで、具と皮を別々に配送し、店舗で餃子を巻く作業を行っていたという。しかし、新しく開設した東松山工場では、そうした作業を工場で行い、店舗へは成形餃子として配送する仕組みを導入する。これについて担当者は、「人の手を介さないことで、衛生的かつ異物混入のリスクを低減できる」という。また、「店舗で餃子を巻く時間をなくすことで、他業務へ時間を割くことが可能になる」としている。
成形餃子の配送に切り替えた理由は、リスクの低減と店舗での効率化といえるが、その一方で、オートメーション化、省人化による生産性の向上を図ることで、今後ますます進むと予想される店舗や工場での人手不足への対応が急務だったという側面もある。
ただ、成形餃子を店舗に供給するにあたり、必要になったのが今まで以上の輸送品質の確保だ。薄い皮が特徴の「王将の餃子」は、冷凍すると食感が維持できないため、チルドでの店舗配送が必須となるが、少しの水分量の変化でもべたつきが生じるなど、高い輸送品質を保持しなければならない。
このため、同社では、輸送品質の観点から、新たに事業者の選定作業を行い、その結果、これまで取引のなかったアサヒロジスティクスをパートナーに選んだ。
事業者選定について担当者は、「トラックの清掃や温度管理など、輸送にも食品ならではの心配りが大切」とした上で、「関東圏の大型量販店や外食チェーン店へのチルド配送で、多数の実績があり、評判も良かったことが決め手となった」としている。
今後については、「乱暴な荷扱いが品質の低下につながるため、一層ドライバー教育には注力していただきたい」と、同社のドライバーだけでなく、協力会社も含めたドライバー教育への期待を寄せている。
■「確かな品質で信頼に応える」アサヒロジスティクス 東松山営業所開所式
アサヒロジスティクス(横塚元樹社長、埼玉県さいたま市)はこのほど、同社の拠点として29か所目となる東松山営業所の開所式を行った。同営業所は、王将フードサービスの東松山工場内に設けられ、構内での仕分けや在庫管理から配送までを一括して行う、「王将の物流を支えるための営業所」となる。
開所式では、王将フードサービスから製造加工部の宮司修一購買課長らを招き、トラックを前に安全祈願を行った後、営業所スタッフらに横塚社長が同社の経営理念を説明。「私たちの仕事は、日本の食生活を支える物流インフラとして、食生活を通じた生活の質の向上に貢献する仕事。誇りを持って働いて欲しい」とし、「誰もが働きたい業界、会社であるよう、今後も努力していく」と誓った。また、同営業所に関しては、「(王将とは)今回初めて一緒にお仕事をさせていただく。荷主企業の大きなプロジェクトを、物流面から支える事業。確かな品質で信頼に応える」と述べた。
王将フードサービスの宮司購買課長は、「工場の柱となる成形餃子は、非常に繊細。チルド管理で実績のあるアサヒロジスティクスの品質を生かせたら」と、期待を示した。
同営業所は、ドライバー14人、構内作業には1日平均30人の体制で稼働する。
◎関連リンク→ 株式会社王将フードサービスこの記事へのコメント
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