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物流ニュース
創意工夫で人材不足を解消
2016年5月19日
人材不足が続く業界にあって、雇用環境を整備するなど、事業者の創意工夫も出てきた。
食品輸送を手掛ける井ノ瀬運送(井ノ瀬喜一社長、埼玉県熊谷市)では、退職金制度をはじめ、さくら会という互助会制度や団体定期保険の拡充など、ドライバーの福利厚生面の充実を図っているが、今年1月からは、「子供手当」と「親孝行手当」を新たに設けた。
子供手当は、扶養する高校生以下の子供1人につき一律で支給され、親孝行手当は、扶養する親1人に付き支給される。会社にとってはコスト増になるが、井ノ瀬社長は「コストよりも、まず、人を求めるならば、求める側に魅力がなければならない」と、福利厚生面の充実は会社の魅力作りの一環であるとし、「一家の大黒柱として働く人たちに、少しでも役に立ってもらえれば」と話している。
一方、千葉県市原市にあるカインズ・ロジ(駒澤信一社長)では、給与体系に選択制を導入することで、ドライバーの働きやすさを追求している。三つの給与体系を設け、ドライバーが自分の働き方によって選択できるようにしている。
同社の通常勤務は日曜日と祝日が休みで、7割のドライバーがこの勤務体系で働いているという。二つめの働き方は、土日と祝日を休みにしたもので、駒澤社長によると、給料は通常よりも月3万~4万円低くなるが、休みを取れることで若者や高齢者が選択するケースが多く、現在、1割のドライバーがこれを選択しているという。
そして三つめが、日給月給制だ。つまり、働いた日数と時間に応じて賃金が支払われる仕組みで、ドライバーは日々、会社に縛られず、自分の都合に合わせて休みが取れるというメリットが生じる。日給月給制を選択しているのは現在、2割のドライバーで、若い独身者や未経験者が多いという。
「人手不足、特に若い人材がいない中で、どう雇用するかと考えた時に至ったのが今の選択制だった」と振り返る駒澤社長。「それぞれの働き方でできる仕事を探すという難しさもあった」というが、「取り組んでしまえば何とかなるもので、同制度を導入したことで、若者の採用も徐々に進んでいる」と話す。
◎関連リンク→ 株式会社井ノ瀬運送
◎関連リンク→ 株式会社カインズ・ロジこの記事へのコメント
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