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物流ニュース
アプライズ「日系ブラジル人をドライバーに」
2016年5月30日
アプライズ(岩堀克英社長、東京都港区)は、アジア圏への進出を望む企業のビジネスモデル構築や事業計画などのサポート、海外入国者の住宅サポート業務と並行し、日本での就業を望む日系外国人を対象に職業訓練などを行っている。
東日本大震災の発生後、岩堀社長は国内外の日系ブラジル人とブラジル銀行から集まった義援金で被災者への救援品の購入と配送を手伝った。多くの日系ブラジル人が日本で暮らしていると実感し、これを機に勤めていた会社を辞めアプライズを設立した。「これから日本の人口は減っていく。日本にいる外国人労働力の活用が必要になる」と考えた。
「活用したい労働力は、日本へ留学しているベトナム人学生と単純作業でしか生かされていない日系ブラジル人」と話す。「日系ブラジル人は日本の永住権を持っているので職種制限がない。しかも、長年日本に住んでいるため日本の文化も分かっている。運転免許も持っており、4トン車を運転できる」という。
ではなぜ、この労働力が表に出てこないのか。「一般の求人情報は漢字が多く彼らには読めない。ならばトラックドライバーとして働けないかと考えた」。大手自動車メーカーの教習本をもとに必要な部分をピックアップした日系人用のオリジナル教本を作った。「重要な部分はポルトガル語で詳しい説明を追加した。これを使って日本語教師が数日間付き添い、勉強してもらう。日報の管理など基本的なことも教える」という。
「労働者の不満は説明不足が原因。時給体制でしか働いてこなかった日系人には、月給を時給換算で説明すれば納得する。日本人の、〝言わなくても分かるだろう〟といった部分が疑心暗鬼を生み出し、長く続かない。それを解消するべく、担当者が現場に赴き、誤解の穴を埋めるフォローも行っている」という。「今までで離職したのはたった一人。一つひとつ丁寧に教えていけば、彼らも一生懸命働いてくれる」。
SBSロジコム北関東でも昨秋、アプライズから日系ブラジル人ドライバーを一人採用した。すると、暮れにはそのドライバーの兄も入社。二人とも順調に勤務している。同社は「営業所を増設するので、今後も採用を増やしていきたい」という。
岩堀社長は「紹介料は一人あたり50万円ほどだが、助成金の申請で最大40万円が還付される。繰り返し求人広告を出すよりも確実な人材採用が見込める」と語る。
◎関連リンク→ 株式会社アプライズこの記事へのコメント
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