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物流ニュース
ナガオ 緒方伸二社長 「受け身」から「攻め」の経営に
2016年8月5日
総合物流サービスおよび引越サービスを提供するナガオ(緒方伸二社長、埼玉県所沢市)は昭和46年の創業で、長尾定一会長(前社長)が起業した。現社長の緒方氏は平成15年に不動産業から転職し、専務取締役を経て同21年に代表取締役に就任した。
ナガオはグループ内に不動産業を営む会社があり、不動産部門出身の緒方社長は「入社当初は不動産部門を主に担当するつもりだった」という。印刷物輸送を主力とするナガオはDMの発送代行も行っており、個人情報の取り扱いに伴う社内規程を強化するため、当時の運送業ではあまり重要視されていなかったプライバシーマーク(Pマーク)の取得にも取り組んだ。
その後は、安全性優良事業所(Gマーク)、グリーン経営認証、ISO14001認証を取得。最近では東京都貨物輸送評価制度で三つ星評価を2年連続取得し、引越優良事業者の認定も受けている。
社内には大きく分けて運送部門と倉庫部門、サブリース部門があり、それぞれの特性を相互に連携させた三位一体のサービスを進め、部門ごとに収支をチェックし効率化への取り組みを行っている。
緒方社長は現職を引き継いだ当時を振り返り、「就任後の3年間で、大口のお客様が複数社契約を終了するという状況に追い込まれた。当時の経営スタイルもスタッフの姿勢も現在とは全く違っていた」という。「まず、顧客ありきで顧客の要望に応える形で仕事を請け負う。あくまでも受け身でしかなかった。減った分を既存のお客様に増やしてもらうことで対応したが、顧客1社あたりのボリュームを上げていくのは、現場は楽だが経営としてはリスクが高い。受け身では駄目だ、攻めていかなければと思い、営業力の強化に舵を切った」。部門ごとの垣根をなくすため営業本部制を敷き、ナガオ全体としての提案が出来る営業体制に切り替えた。「自分たちから、こういうサービスができますよ、このようにすれば効率が良くなりますよと提案しながら収益を計算し、お客様が喜ぶことをしっかりと考える工夫が必要。各部門の責任者にはプレイングマネジャーの質を求めていく」と述べる。
現在、ナガオの顧客は150社前後。「最近は提案型の営業ができる社員が育ちつつある。まずはその社員らをしっかりと育てて、現場ごとのリーダーにしていきたい」とし、「いずれは各現場のリーダーが売り上げも管理し、経営も任せていきたい。各現場を積み上げて組織化した会社にしたい」と夢を語る。
「それには人材。現場の高齢化を食い止め、若返りを図る。そして、まずは現場の最小グループの旗振り役としてリーダーを置く。その上にグループリーダー長を置き、さらに担当長を置くといったピラミッド式の組織を構成し、成長に見合った分だけ重要なポジションを与える。やる気のある社員が育ちやすい環境になっていくと思う。リーダー一人ひとりが担当する現場の経営管理もする、支社的な組織体制の構築を目指す」と話す。
◎関連リンク→ 株式会社ナガオこの記事へのコメント
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