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ブログ・川﨑 依邦
労働審判・全面勝利体験報告(36)記録主義の徹底
2011年3月25日
法廷の場では主張を裏付ける証拠がものをいう。筆者の会社では記録主義を貫いている。記録主義とは、会議にあっては議事録の作成、個人面談シートの作成、退職にあたっては合意書の締結などである。
書かれたものは証拠となり、申立人とやりとりしたメールも証拠となる。ところが、中小企業の現場では記録主義を貫くことが難しい。日々忙しい。記録する暇などない。そもそも訴えられたりすることを前提として経営していない。ここが隙となって一般的に経営者には不利となる。「言った、言わない」の世界では、どうすることもできない。労基法の前では無力である。にもかかわらず、訴えられる中小企業の割合は低い。
実態は労基法上では色々問題があっても、訴えられるところまでいくのは少数である。何故か。労働者も訴えるほど暇ではないことがある。訴えるだけの手間、暇、金をかけるほどの余裕がない。
平たく言えば、諦めみたいな感情がある。「どうせ、うちのオヤジ(経営者)を訴えても仕方ないよ。嫌なら辞めるだけだよ」。それでも訴えてくるのは背景の力である。1人でも加入できる労働組合の存在や、それこそ無茶苦茶な経営者の存在といった背景がある。訴えてくる背景はまちまちである。(つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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