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ブログ・川﨑 依邦
労働審判・全面勝利体験報告(43)伝わらない想い
2011年5月20日
また、特定の荷主の担当者の○○氏との関係がうまくいかず、限界を感じていることの報告を受けたこともあって、この人事異動を行ったことであり、この異動には合理的な理由があります。
相手方としては、経営戦略として、今後、主要荷主以外の取引を拡大していく新規業務に取り組むことを計画していました。また、私から申立人に対しては、平成21年5月15日に面談した際、「配車リーダーという職務から、さらに業務内容を広げていって欲しい。将来は、運送会社を全体として経営指導する実力を付けて欲しい」ということも、伝えたことがありました。そのようなことを踏まえて、申立人に人材派遣部門の現場管理リーダー兼輸送管理業務としての辞令を、同年7月16日付で行ったものです。辞令の翌日である7月17日には、申立人は私に対して、「私は辞令に対して真剣に受け止め」「派遣拡大を目標に一生懸命がんばり、その他の派遣先についても全体を把握し派遣業務の拡大を目指します」「新規の開拓についても常務のノウハウを学び開拓を目指します」などと記載した決意文を提出し、人事異動における新たな職責に対して、積極的に取り組む意向を有していました。
8 しかし、翌7月18日には、川?常務からの連絡により、申立人が新規の業務をやりたくない、会社を辞めたいと言っていると聞きました。そのため私は、申立人に電話をして話し合いましたが、申立人は退職の意思が強く、ただ、会社都合の退職とすること、退職日を8月31日として8月分までの給料を支払うことを要望しましたので、私は彼の便宜を考えて、それに応じることにしました。
それで、川?常務に指示をして、申立人の要望を反映した合意書を申立人との間で作成させたのです。
9 以上の通り、今回の申立人の主張については、私は到底納得がいかず、相手方がどのような理由にせよ、申立人に金銭を支払わなければならない理由は全くないと考えています。 以上
川?依邦(陳述書より)
◇ ◇陳述書の1行、1行には裏付けが必要である。確たる証拠の裏付けである。客観的証拠である。その点では申し分なくキッチリと証拠を揃えて陳述書を作成した。経営者の想いは伝わっていると思っても、働く者にはなかなか伝わっていないものである。それどころか、法という錦の御旗を振りかざして歯向かってくる。中小企業の経営者にとっては切ないことである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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