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ブログ・川﨑 依邦
中小運送会社の経営改善の記録(6)忘年会の思い出
2012年8月3日
平成19年12月の忘年会を今でも思い出す。11月に社長に就任して、すぐさま忘年会を迎える。今までは忘年会を行っていなかった。前社長の方針は?無駄なことはしない?で、とりわけ会社行事は経費がかかるからである。
今回は一泊二日で行う。狙いはコミュニケーションを深めることにある。急に決めたので温泉旅館といってもかなりさびれていた。風呂も狭い。風呂に入ったのは筆者と常務だけ、あとのメンバーはしらけている。実は参加料1人5000円払うと言って、ようやく集めてきた。宴会がスタートしても雰囲気が重い。組合員、元組合員、非組合員とバラバラである。筆者と常務は盛り上げようとビンゴゲームをし、ビンゴの者には金を配った。ミニミニ田中角栄の気分である。ビンゴの者に1万円を配る。受け取る時は一様に嬉しそうにする。ところがドライバー同士は仲が悪く、密かにメールを飛ばす。「どの面下げて参加しているのか」。組合員が非組合員にメールを飛ばす。やむなく急いでコンパニオンを呼ぶ。ひなびた温泉旅館の女将さんに「3人ほどコンパニオンを呼んでほしい」と告げる。「急なことなので集まるかどうか、一応当たってみます」。すぐさま来たコンパニオンを見て、宴会は盛り上がるどころか呆気にとられる雰囲気となる。「いつもは百姓をしています。よろしく」。年の頃は優に70歳を超えているように見える。ビールを注がれても心浮き立つ感じがしない。しらけた宴会に更に追い打ちをかける。ようやく比較的若いコンパニオン2人が来てホッとする。さすがに酒が入ると賑やかになる。
あるドライバーに、どうして風呂に入らなかったのかと聞く。「墨を入れていますので、背中は見せられません」。筆者は3時間の宴会を乗り切って席を立つ。後は常務に任せた訳である。しかし後が大変であった。ふすまを破る、ガラスは割る。常務も怪我をするところであった。荒れた宴会となる。原因はドライバー同士の仲の悪さにある。「一人でも入れる労働組合」を作ってからの今までのことが爆発したわけである。コミュニケーションの悪さを示すエピソードである。「これからどうなるのか」。筆者は暗い思いに駆られる。
経営の基本原則に踏まえることである。経営方針を明らかにする。経営理念を発表する。ドライバーに働きかけて事故ゼロ、クレームゼロの会社創りをする。Gマークとグリーン経営を取得しよう。そして給与改革を成し遂げていこう。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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