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ブログ・川﨑 依邦
中小運送会社の経営改善の記録(10)ドライバー研修会を実施する
2012年9月7日
グリーン経営取得に向けての研修会の内容を紹介する。第1回は平成20年4月25日、テーマは「タイヤの法改正と日常点検」である。講師はタイヤ業者とタイヤメーカーの担当者で、研修の流れは次の通り。
?新しい点検、整備のやり方について説明を受ける。
?タイヤ業者から月1回タイヤを点検している実施結果について講評を受ける。点検票(ホイール・ナットの点検、空気圧、タイヤローテーション結果)を各ドライバーにフィードバックしていく。
?日々の点検方法について実際にタイヤを見て研修を受ける。ナットの緩みがないか、突出しているボルトの長さはどうか、タイヤの亀裂はどうかをチェック。第2回は同5月21日で、実習訓練である。
?目視で点検
ホイール・ナットの脱落やホイール・ボルトの折損はないか、ホイール・ボルトの回りにさび汁が出た痕跡はないか、ホイール・ナットから突出しているホイール・ボルトの長さに不揃いはないか。
?点検ハンマーなどを用いての点検ホイール・ボルトの折損やホイール・ナットの緩みがないか、ナットの下側に指を添えて点検ハンマーでナットを叩いた時に指に伝わる振動が他のナットと異なったり、濁った音がしないか。
ドライバーは真剣そのもので、ベテランは新人にアドバイスする。燃費効率は同年5〜7月の平均は2.42キロ/リットルとなる。同年2〜4月の平均は3.38キロ/リットルなので向上している。ダンプという特殊な車であるが、確実に効果は出てきている。グリーン経営に取り組み始めて、年々燃費効率は向上している。現在(同24年)のプレジャーのダンプの燃費は平均2.8キロ/リットルである。車は年々古くなっているが、スタートした時の燃費効率より向上している。
「燃費効率向上に頑張っているドライバーと、そうでないドライバーは同じ給与でいいのか」。じわじわとドライバーから声が上がってくる。同19年11月15日に引き継いだ時のドライバーの給与は時間外手当に依存している。長い時間働けばそれだけ給料が高くなる。働きの質を考慮していない。ドライバーを評価する仕組みになっていない。中には時間を調節する者もいる。「時間を引っ張るドライバー」である。「頑張ったドライバーに報いる道はないか」。給与改革の機運が生まれてくる。運送業にとって給与改革は清水の舞台から飛び降りるくらいの大決断が求められる。 -
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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