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ブログ・野口 誠一
第69回:危ない経営者第4条・言行が一致しない経営者
2004年7月31日
「危ない経営10か条」の第4条は、「言行が一致しない経営者」である。
このタイプの経営者は、社員や幹部にうとまれやすく、取引先や金融機関に軽んじられやすい。
つまり、どこを向いても信用されず、常に倒産と背中合わせの経営を強いられる。
八起会へも「幹部が動かない」「社員が働かない」「取引先が現金でなければ取引できないと言い出した」などの相談が寄せられるが、大抵の場合、経営者の言行不一致に原因がある。
約束通りにボーナスを出さなかったら、どんな社員だって怒る。
支払い期日を守らなかったら、どこの取引先だって腹を立てる。
当たり前のことである。
ところが、言行不一致型の経営者に限って、その当たり前のことがわかっていない。
だから「10%減ぐらい我慢してくれたたっていいじゃないか」と、認識が甘くなり、信用を失っていく。
私はそういう経営者に対して、いつも次のようにアドバイスしている。
「おそらく、完全に言行の一致する人間など一人もいないでしょう。
その点では、一人の人間としてみれば社長も社員も、役人も政治家も似たり寄ったりかもしれません。
しかし、トップやリーダーと呼ばれる人たちに限っては、言行の不一致が命取りになります。
それは、彼らの言が多くの人たちを左右しているからです。
いったんそこに不信が生ずれば、誰もその言に従いません。
経営者ならたちまち倒産です」
先頃、国民年金の未納議員が相次いで発覚し、国民の怒りを買った。
閣僚をはじめ党首クラスにまで及んだのだから無理もない。
が、二、三の例外を除いて、大方は役職にとどまった。
「国民だって4割も未納ではないか」と言いたいのだろうが、リーダーにあるまじき言行不一致である。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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