-
ブログ・野口 誠一
第74回:危ない経営者第9条・新製品の開発に不熱心な経営者
2004年8月15日
「危ない経営者10か条」の第9条は、「新製品の開発に不熱心な経営者」である。
今回の景気回復をリードしたのは、デジタル家電の中でも「新・3種の神器」と呼ばれる薄型テレビ、DVD(デジタル多用途ディスク)レコーダー、デジタルカメラの売れ行きが好調で、それがいっこうに動かなかった個人消費を引っ張り、景気回復の一方の牽引車となっている。すでにデジカメは2世帯に1台、DVDは3世帯に1台と急速に普及しており、今の景気を「デジタル景気」と呼ぶのもゆえないことではない。
「失われた10年」の間、デフレと個人消費の低迷が続き、メディアやマスコミはしきりに「もはや欲しいモノのない時代」「買いたいモノのない時代」を強調したが、そこをあっさりと突き破ったのがデジタル家電である。いつの時代も、消費の地平を切りひらいてきたのは新技術であり、新製品である。
とすれば、大企業、中小企業にかかわらず、経営の死命を制するのは新技術、新製品、新サービスと言っていい。その研究と開発を怠れば、間違いなく消費市場から退出を余儀なくされ、倒産である。とはわかっていても、中小企業の場合、不熱心な経営者、腰の重い経営者も少なくない。それは、研究開発には多大の時間とコストを要するからである。が、そこを避けて通る道もない。
これからは独自の技術やユニークな製品を開発すれば、中小企業といえども大企業を凌駕できる時代である。かつてのように宣伝力が弱い、販売力が弱いと嘆く必要はない。インターネットで情報を流せば、世界中から引き合いが来る。国内でも、系列が崩れた今は、技術次第、製品次第で、どこの企業グループとも取引できる。それがIT時代の特徴である。この記事へのコメント
-
-
-
-
筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
「ブログ・野口 誠一」の 月別記事一覧
-
「ブログ・野口 誠一」の新着記事
-
物流メルマガ